小島瓔禮のレビュー一覧

  • 蛇の神 蛇信仰とその源泉

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    日本各地の蛇に纏わる伝承から、海外の主要な神話における蛇の立ち位置までを網羅的に書き記した一冊。テーマを蛇とその周辺に集約することで、信仰がどのように土着のものと化していったかが分かりやすく記載されている。

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    2025年10月18日
  • 猫の王 猫伝承とその源流

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    古代エジプトの猫信仰から猫又・火車・手ぬぐいかぶって踊る猫に豪徳寺の猫、招き猫などなど、猫にまつわる伝承と習慣、狼や狐など他の動物たちとの関係まで、古今東西のヒトと猫との関わりを多方面から考察した一冊。

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    2024年05月17日
  • 猫の王 猫伝承とその源流

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    世界各地の猫伝承に共通性が多い事に、猫の伝搬と共に語りが伝えられた面があるのでは、という指摘になるほど。猫は自由な動物なので、その理解の及ばない範囲が人間の想像力を刺激したのでは。

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    2024年12月09日
  • 蛇の神 蛇信仰とその源泉

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    ネタバレ

    日本、琉球、中国あたりを中心に、ヘビにまつわる言い伝えや信仰、風俗を纏めた本。各著者が調べ上げたものをできる限り書き記したという感じで、一冊の文庫本の中にみちみちに伝承が詰まっている。
    ギリシア神話に原型をもつヘビと蘇りの薬草の伝説があるが、インド、中国、インドネシアにも似たものが存在しているという話が面白かった。虹とヘビの混同、ヘビがいる家は栄えるなど、似たような話が世界に散らばっているというのはわくわくする。
    自分の興味関心的にもうちょっとヨーロッパや中東あたりのヘビ伝承の分量が欲しかったと思ってしまうが、そういう本も調べればありそう。これからの楽しみにしよう。

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    2026年03月04日
  • 猫の王 猫伝承とその源流

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    猫ちゃん。好きだけど、犬ほど好きじゃない。この一冊でぬこ好きになるかと思ったけど、それほどではなかった。表紙はかわいいけどね。

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    2025年10月24日
  • 蛇の神 蛇信仰とその源泉

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    古より蛇は、「正・邪」「善・悪」「敵・味方」など、相反する性質をもたされた揺らぎのある存在とみなされてきたそうです。矛盾が同居させられていて、同じ神話や言い伝えのなかでもケースバイケースでどちらかに転んだ行動を取らされていたり、物語の性質によってどちらかの側に立たされていたりする生きものでした。また、インドの神話では、蛇は宇宙蛇としてこの世界を根本から支える存在とされていますし、北欧神話でもミズガルズ蛇が大地の中心を担い、世界の軸としての役目を持つような神様だったりします。本書は、そんな「蛇」への人類の精神史といいますか、人間は蛇になにを感じ、またなにを見てきたかを、古文書や伝承などから読み取り考察したものを教えてくれます。

    蛇の神って伝統的にけっこうポピュラーな存在だったようです。あの金毘羅神も蛇の神だったと本書で知りました。女の神が蛇の神とまぐわい子をもうけたりする神話が珍しくないみたいにいくつか類例が記されているのですが、これ、言ったら、男根の形状が蛇っぽいから連想してそうなったのではないのか……。

    おもしろかったトピックをひとつ。神無月という呼び名のある10月は日本全国の神様が出雲に集まるためそう呼ばれます。だけれど、東京都府中市周辺の地域に君臨する神様である大國魂神社の神様は蛇体なので神無月に出雲へ行きません。かつて、のろのろ這っていったため遅れてしまい、もう来なくてよい、といわれたと伝わるそう。好いゆるさのある神様界隈ではないですか。ちなみに、ここで例に出した神様以外でも全国各地に蛇体の神様がいて、みな神無月になっても自分の土地を離れないそうです。

    あとは、虹は大きな蛇だとみなす伝統が世界中にあること(日本では蛇の吹く霊気だとするものもある)や、土地の神様とはおそらく別の「蛇神」の話、蛇を呼んだり追い払ったりする法術の話(追い払う呪文には「山立姫」という言葉が見られ、これはイノシシの意味だそう。イノシシはマムシを食べるとされるため呪文に使われる)、中国の白蛇伝説などさまざまな伝承をみていくようなところの多い内容でした。

    小説家・安部公房は、蛇は非日常の存在だと捉えていたそう(p31)。それは手足がない胴体だけの生きものという、当然あるべきものの欠如からくる嫌悪感がベースになっているのですが、あるべきもののない者の日常を想像することはむずかしい、すなわち日常性の欠如、言い換えれば非日常の存在という図式になるのだとありました。本書では、蛇は人間にとって混沌、カオスを意味するとしています。



    では、ふたつほど引用を。

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    虹を指さしてはいけないという伝えが、日本の各地にある。長野県埴科郡でも、虹を指さすと指がくさるという。鹿児島県でも、虹を人さし指でさすと手がくさるという。琉球諸島では、沖縄群島の久高島で、虹をシー・キラー、ティー・キラーという。「手を切るもの」という意味である。虹は神であるから、これを指させば失礼に当たり、指さした指の先から、だんだんにくさってきて、手が切れてしまうという。(p84)
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    →虹の話でしたが、虹と同一視される場合の多い蛇にも、同じことが当てはまるとあります。東京あたりでも、蛇を指さすと指がくさるといい、両手で蛇の長さを示したときには、ほかの人に、そのあいだを切ってもらう、というのがあったそう。指さしは禁忌とする宗教的な要因がなにか存在しているのだろう、と著者は見ています。



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    蛇の腹をつつくと雨が降るという伝えのある土地もある。(p97)
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    →蛇はしばしば水の神とされるのだそう。稲田が気がかりな農民にとっては、田畑にでてくる蛇の挙動に関心があったのだろう、ともあります。また、ヘビは雷の象徴で、水を支配する力を持っていることを解説するところもありました(p112)。雷はイナズマとも呼ばれますが、イナ=稲であるように、稲の妻=イナヅマとして、雷は稲の配偶者として稲をはらませると見ていたところがあるようです。雷が鳴れば恵みの雨が降りますからね。そして、その雷の化身として蛇を見ていたそうなのでした。



    といったところでした。本書中盤では、世界に伝わる蛇の寓話や童話などを紹介してくれるのですが、物語前半では助けてくれる存在だった蛇が後半では裏切ってくるなど、このレビューのはじめに書いたように、蛇は「敵・味方」などの相反する性質をになうトリックスター的な生き物として位置付けられている印象を強く持ちました。古来より、にょろにょろと独特なやり方で歩いていく蛇の生態は、人間にとっては不思議な在り方だし畏れを抱かせる存在だったのかもしれません。ただ、おもしろいのは、欧州では蛇を飼ったりなど慣れ親しむ習俗があったようで、伝承でも、「蛇にミルクを飲ませて家に住まわせると家が繫栄した」などがあります。日本でも、家に蛇が入ると家が栄える、と言われる地方があり、そういわれる一因として、どうやら作物を食い荒らすネズミなどを蛇が食べてくれるからという害獣駆除の面が重宝されたところがあるみたいです。ネズミ捕りとして有能な猫がまだペットとしてみなされていない頃からの習俗なのでしょうね。

    蛇をどう見てきたのか。現代では、気持ち悪さや毒のために忌避する傾向が強いと思いますが、そこにもっと昔の人はさまざまで豊かなイメージを持たせたのだなあと知ることができてよかったです。

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    2025年02月25日
  • 蛇の神 蛇信仰とその源泉

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    巳年だし…と思って読んでみた。情報量すごい!めちゃくちゃ風土記を読みたくなる。
    日本人から見た蛇の呼称や神との関係、蛇信仰、世界的な蛇神話…などヘビの話しかない(当たり前)
    知らない話ばかりで面白かったんだけど、情報量が多すぎて要約とかできない。
    一つ言えるのは、日本各地で蛇に対する畏れや信仰のようなものがあった。なんなら世界的にあった。
    言語も文化も違う国で、同じような信仰や考えが起こることにロマンというか不思議さを感じてワクワクするタイプなんだけど、今回もそれだった。

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    2025年02月24日
  • 蛇の神 蛇信仰とその源泉

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    国内外の蛇にまつわる文化をざっくばらんに語った本で取っ散らかっているものの面白かった。当然ながら、去年最初に読んだ『龍の起源』と重なる内容も多い。
    川崎市のネタがちょいちょい出てきて、川崎も70年前は水田地帯だったのだなぁと思わされた。
    また、沖縄のハブ除けのおまじないに詳しい。藤原秀郷を騙って蛇を威嚇するなど、どうしてこうなった感があって楽しい。

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    2025年01月02日