岩坂悦子のレビュー一覧

  • カブール、最悪の13日間

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    日本の撤退オペレーションが色々と非難を浴びた、アフガニスタン。
    米軍の撤退決定による混乱の中、フランスの国際警察に属する著者が、直接体験した最悪の13日間。

    生の記録だ。

    沢山の人達をいかに出国させるか、それこそ命を賭けて、体を張って奔走する。
    その、トラブルというか、計画通りにいかないことがえげつない。一歩間違えれば、自分も含めて全員が死ぬかもしれない状況の中で、諦めずに、最善の一手を模索していく姿に汗を握る。

    タリバーンといっても、一枚岩ではないし、「ただの」テロリスト集団でない一面が意外だった。現地の人も、タリバーンの方がマシだと言ってる人もいるんだ。
    そりゃそうか。
    その一方で、

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    2024年06月18日
  • 小さくも重要ないくつもの場面

    Posted by ブクログ

    人はどこから来て、どこに行くのか──。哲学的で、根源的な疑問を抱えた少女・リリの半生を描いた作品である。
    物心ついた頃には母はおらず、父は4人の子持ちの女性と再婚する。その後、家族や友人の死に直面するたびに、幼い頃からの疑問が再燃する。さらには、家庭や社会の中での自分の立ち位置がわからず、何事も中途半端に終わらせてしまうようになる。リリだけではなく継母や義兄弟にもいろいろと秘めた思いがあり一筋縄ではいかない。
    文章は読みやすいが重い内容で、なかなか捗らなかった。

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    2024年06月02日
  • 小さくも重要ないくつもの場面

    Posted by ブクログ

    主人公たちの両親は、子連れ同士の再婚とはいえ、フェアであろうとし、血の繋がらない兄弟で傷つけあったわけでもなく、物質的に窮乏していた様子はない。ただ、大人達は秘密を抱え、あるいはいなくなった実の親について語らず、子供たちに真正面から向き合わずに大きな大きなelephant in the roomを抱えたままにしておくことが、いかに子供を押し潰してしまうか。そして出生と実存の絶対的肯定がいかに子供にとって必要であるか。老年にさしかかってようやく安らげるパートナーと出会えたリリと同じく、他の子供たちも自分の居場所を見つけられたと信じたい。

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    2024年05月20日