【感想・ネタバレ】小さくも重要ないくつもの場面のレビュー

あらすじ

いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか

『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。
幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。
ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。
やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。
タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人はどこから来て、どこに行くのか──。哲学的で、根源的な疑問を抱えた少女・リリの半生を描いた作品である。
物心ついた頃には母はおらず、父は4人の子持ちの女性と再婚する。その後、家族や友人の死に直面するたびに、幼い頃からの疑問が再燃する。さらには、家庭や社会の中での自分の立ち位置がわからず、何事も中途半端に終わらせてしまうようになる。リリだけではなく継母や義兄弟にもいろいろと秘めた思いがあり一筋縄ではいかない。
文章は読みやすいが重い内容で、なかなか捗らなかった。

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

主人公たちの両親は、子連れ同士の再婚とはいえ、フェアであろうとし、血の繋がらない兄弟で傷つけあったわけでもなく、物質的に窮乏していた様子はない。ただ、大人達は秘密を抱え、あるいはいなくなった実の親について語らず、子供たちに真正面から向き合わずに大きな大きなelephant in the roomを抱えたままにしておくことが、いかに子供を押し潰してしまうか。そして出生と実存の絶対的肯定がいかに子供にとって必要であるか。老年にさしかかってようやく安らげるパートナーと出会えたリリと同じく、他の子供たちも自分の居場所を見つけられたと信じたい。

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2024年05月20日

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