木寺一孝のレビュー一覧

  • 正義の行方

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    本を閉じ深い溜息が出た。

    1992年、福岡県飯塚市で小学1年生の女児二人が登校中に何者かに連れ去られ殺害された。

    犯人とされた久間三千年は逮捕・起訴され、死刑判決確定からわずか2年後、再審請求の準備中に死刑執行される。
    冤罪を主張し続け、自白がない状態での刑執行のスピードに唖然。

    「飯塚事件」の3年ほど前に起きた女児失踪事件が未解決だった事で警察に焦りがあったのではないのか。

    警察が威信を掛け犯人逮捕に全力を注ぐ姿勢に共感する一方で、思い込み捜査や記憶の改ざんで冤罪が作られていく恐怖も感じた。

    真相は未だ藪の中だ。

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    2024年06月10日
  • 正義の行方

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    NHK BS1スペシャル、正義の行方飯塚事件30年後の迷宮、を見て非常に印象に残っていたので、本書を読むことになった。
    殺人犯とされた死刑囚が、死刑終了後に洗剤ではないかと最新請求がなされ、最高裁により棄却され、死刑が確定した事件であるが、様々な関係者の取材を通して、迷宮のような事件の中、様々な正義がぶつかり合い、どこに政治が存在するのか、考えさせられることが多かった。
    そもそも以前から、正義と言う言葉には素直に受け取ることができないことばかりだと思っていた。現在のソ連ウクライナの戦争、パレスチナの戦争、あるいは第二次大戦時の日本の戦争に進む姿勢、最近見学した満蒙開拓団、平和記念館の印象など、

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    2024年05月19日
  • 正義の行方

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    映画を見逃したので書籍のほうを読んだ。どれが真実か分からない、警察も記者も皆それぞれの正義に従っただけ、、という内容で、それぞれの視点を淡々と平等に書いているが、万が一これが冤罪事件だったとしたら、死刑になった久間さんのご家族はたまったものじゃないなと思った。警察や記者が淡々と語るのは仕事だから分かるけど、家族は実際はこんな淡々と語っていないだろうなと思った。まあそういう体裁のノンフィクションなので仕方ないが、、個人的にには冤罪じゃないかと思っているので、どうも気になってしまった。

    「正義」とは都合の良い言葉だなと思った。今も冤罪を訴えている弁護団の方の一人が、「太平洋戦争を起こした人たちに

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    2025年11月11日
  • 正義の行方

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    「飯塚事件」。
    三〇年ほど以前の事件で、犯人とされた人物はすでに死刑執行されている。

    それが是であったのか。

    冤罪疑惑があり、再審請求が行われていたのは知らなかった。

    ただ、この本は、そうした事実の検証本ではない。事件、裁判の細かい事実はこの本では追えない。

    各人いろいろな立場で正義はある。正義とは何か。

    それも弱い。いわば中途半端な本。NHKの番組と、映画をたどった感じらしい。
    故に、本としてはとても弱い。

    分かりきった問題提起にしかなってないのが辛い。もちろん、事件の具体的要素は違うにしても。
    ただもう、警察検察のヤバさはこの本からも感じられる。

    どーすんだろうね。

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    2024年07月04日