浅瀬明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みやすく、発想もユニークで、どんでん返し要素もあり、とても面白かった。
起業家を輩出する目的で作られた大学内で、学内だけで使えるポイントを巡ってストーリーが立てられている。学生は事業目的に沿ったサークル活動を通して、いかに多くのポイントを稼ぐかに日夜注力している。
その中で主人公は大学二年生ながら急遽家庭の都合で今年中に単位を全て取得して卒業しなければならなくなった。単位もポイントで稼げるが、簡単に稼げるものではない。そして、高校時代から親しくしている先輩を頼り、主人公が足を踏み入れたのは、不正にポイントを稼いでいるサークルを取り締まるゼミだった。。
設定は当然面白いのだが、実際にこのよ -
Posted by ブクログ
ネタバレ最後の最後まで面白かった。
伏線の回収がうまいなー
物語を通して灰塚たちの犯罪行為が描写されてたんやけど、灰塚たちの人格までは悪いとは思えなかった。
犯罪行為に至ったのは、そういう環境に身を置いてしまった結果だと思う。だから、一番感情移入してしまった。
そんな中、犯罪者たちを差し置いて夏川が黒幕かのように立ち振る舞ってるのは終始ハラハラしていた。もうコイツが捕まって罰を受けろよと思わされる言動。サイコがパスってる。
最後と冒頭の話が繋がってるとは思わんかった。
夏川のように犯罪者認定されてないだけの、頭のいい悪い奴って世の中にたくさんいるんだろうなと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレビジネスの即戦力たる人材を育てるため大学内でポイントを通貨として採用し、そのポイントで学内で商売をすることもできる木津庭商科大学。主人公降町は2年生でありながら家庭の事情からあと半年で卒業しなければならなくなった。ポイントさえあれば卒業単位さえ買えるこの大学で短期間でどうやってポイントを稼いでいくのか?
なんともきれいにまとまった一冊。おもしろかったです。タイトルからして剣呑な感じがしますがそんなこともなかった。犯罪=殺人みたいな思い込みがあったかも。そんな本ばっか読んでるからなあ・・・
しかし読み終わってみれば割とみんな善人・・・とまではいかなくても悪人はいないようでなんとも良い読後感。教 -
Posted by ブクログ
設定が面白かった。
登場人物たちが相手の裏をかいていかに出し抜くかを競って話が進んでいくけど、根は善人というか、根底は優しい世界という感じだった。
「想像力」がひとつのテーマにもなっている中、印象に残ったのは以下のセリフ。
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「お化けやUFOを信じるのが想像力じゃなくて、疑うのが想像力だって。そういう空想を信じている人たちは自分たちのことを想像力のある人間だって思っているけど、それってほかの誰かが想像したものを信じただけの思考の停止に過ぎないでしょう。他人の言うことを疑って、現実を疑って、常識を疑って、その先にあるのが本物の想像力だ」p181