あらすじ
2024年第22回『このミステリーがすごい!』大賞文庫グランプリ受賞作!
「他人からの評価を可視化するアイデアをコンゲームのネタに使っているところがうまい。エンターテインメントとしてたいへんよくできている」大森 望(翻訳家・書評家)
「ユニークな設定、文章力、テンポもよくて一気読み。さまざまな人物が有機的に連なっていく過程も面白かった」瀧井朝世(ライター)
「軽妙ライトノベルタッチで展開するキャンパス・サスペンスで、キャラも立っているし呈示される設定もユニーク」香山二三郎(コラムニスト)
ビジネスセンスを備えた人材の育成を目指す木津庭商科大学では、学食等での支払いのみならず、家賃の支払いや単位の売買にも使用できる「ポイント」を獲得するため、学生たちがしのぎを削っていた。そうした大学において、サークルとは、共通の趣味のために存在するのではなく、事業を行うために存在していた。
家庭の都合により、突如残り半年で卒業しなければならなくなった2年生の降町歩は、不正にポイントを稼ぐ者たちを摘発する「監査ゼミ」に所属する。家庭教師サークルを装いガールズバーを運営していると噂が出ているサークルに調査に行くが、逆に取り込まれ……。
単位は買ってでも取得しろ。大学卒業をかけた、一世一代の大仕掛け!
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Posted by ブクログ
読みやすく、発想もユニークで、どんでん返し要素もあり、とても面白かった。
起業家を輩出する目的で作られた大学内で、学内だけで使えるポイントを巡ってストーリーが立てられている。学生は事業目的に沿ったサークル活動を通して、いかに多くのポイントを稼ぐかに日夜注力している。
その中で主人公は大学二年生ながら急遽家庭の都合で今年中に単位を全て取得して卒業しなければならなくなった。単位もポイントで稼げるが、簡単に稼げるものではない。そして、高校時代から親しくしている先輩を頼り、主人公が足を踏み入れたのは、不正にポイントを稼いでいるサークルを取り締まるゼミだった。。
設定は当然面白いのだが、実際にこのような大学があった時に起こりうる様々な事象や企み、不正などがリアルに考えられている。
是非おススメしたい。
Posted by ブクログ
めちゃ好き。単位も買える学内通貨を稼がなきゃいけない実学主義の大学で、卒業のためにギリギリを攻める頭脳バトル。最近こういうタイプの話が増えてきて嬉しい。
Posted by ブクログ
設定がすごい好き。大学内だけの通貨を稼いで単位を買って卒業を企てる。
解説にもあったけど、莫大の通貨を稼いだだけで幸せにはなってない人もいたり、深い話もあったりしたのがとても良かった。
幸せについての議論もすごい面白かった。
物語は星4くらい、設定で+1という感じでした。
Posted by ブクログ
ストーリーのテンポが良く、登場人物はみんな頭が切れる人たちしかいないので、物語に引き込まれページを捲る手が止まらなかった。
また人間の心理に対して深く考えているなと思った。だからこそ、ビジネスで成功しているのだと思い勉強になった。
印象的だったセリフ↓
頭に思い描いたイメージと現実がずれると苛立つ
一度思い描いたイメージに固執する人間は苛立ちやすい
馬鹿にされるのは違いのわからない私であって、オペラやワインではない
それぞれの生活水準や経験によって、その出来事で幸せを感じるかどうか変わる
Posted by ブクログ
★3.5です。
「このミス大賞」シリーズに挙げられている作品ですが、ミステリーの範疇ではないですね・・・。分類が難しいですが、大学キャンパスが舞台で、主人公が学生なので、青春モノ?
学生達が独自のアイディアで事業展開するサークルを運営し、対価として学内ポイントを稼ぐという、風変りな大学での一苦学生の物語。
空想的でもあるオリジナリティーの高い設定で、シンプルに興味を惹かれます。
引っ込み思案で目立たたない性格の主人公が、引くに引けない背水の陣から能動的に行動するようになっていく姿に微笑ましさを感じながら読み進めました。
Posted by ブクログ
黒河さんからは逃れられないだろうと思っていたけど最後のどんでん返しにもうほんと後輩思いすぎ
そして、もしかして岩内さんのことを好きなのかしら。そんなに学校から卒業させたいとか仕事を一緒にしたいだけじゃない気もします(笑)
降町くんは懲りないですね
Posted by ブクログ
新進の大学キャンパスでポイントによるビジネスを繰り広げる学生たちの物語。ポイント取引の仕組みが少しわかりづらかったけど、その展開力で最後までひっぱられました。最後のまさかのほのぼのエンドも気に入って後味の良い本でした!
Posted by ブクログ
ビジネスの即戦力たる人材を育てるため大学内でポイントを通貨として採用し、そのポイントで学内で商売をすることもできる木津庭商科大学。主人公降町は2年生でありながら家庭の事情からあと半年で卒業しなければならなくなった。ポイントさえあれば卒業単位さえ買えるこの大学で短期間でどうやってポイントを稼いでいくのか?
なんともきれいにまとまった一冊。おもしろかったです。タイトルからして剣呑な感じがしますがそんなこともなかった。犯罪=殺人みたいな思い込みがあったかも。そんな本ばっか読んでるからなあ・・・
しかし読み終わってみれば割とみんな善人・・・とまではいかなくても悪人はいないようでなんとも良い読後感。教授あたりが怪しかったですけどね。最初やたらと柔和な表現が多くて途中からいかにも「実は悪役」感がでてきたので、そういうステレオタイプな感じはちょっと嫌だなあ・・と思ってました。教授の理想論を追う姿勢も正直嫌いじゃなかったので。でも別に悪意はなく最後まで理想論スタイルだったので安心。
黒河のダークヒーローな立ち位置はよかったんですが、3賢人とかもっと掘り下げがあっても・・・ボリューム的には難しいか。冗長になったのかもしれないし、これくらいがすっきりしていいのかも。。。
Posted by ブクログ
大学内専用の仮想通貨を稼ぐ為にいろんな発想力と行動力で稼いでいく。最後はハイパーインフレにし仮想通貨を持っているお金持ちを引き摺り出す為の作戦とは思わなかった。経済の勉強にもなり良かった
Posted by ブクログ
面白かった!久しぶりに一気読みしたくなる本でした。めちゃ好み。映像化してほしい。
やり手の学生たちのあの手この手の駆け引き、舌戦。最後の最後まで予測できなかった結末。至極のエンタメ小説!
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設定が面白かった。
登場人物たちが相手の裏をかいていかに出し抜くかを競って話が進んでいくけど、根は善人というか、根底は優しい世界という感じだった。
「想像力」がひとつのテーマにもなっている中、印象に残ったのは以下のセリフ。
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「お化けやUFOを信じるのが想像力じゃなくて、疑うのが想像力だって。そういう空想を信じている人たちは自分たちのことを想像力のある人間だって思っているけど、それってほかの誰かが想像したものを信じただけの思考の停止に過ぎないでしょう。他人の言うことを疑って、現実を疑って、常識を疑って、その先にあるのが本物の想像力だ」p181
Posted by ブクログ
2024年 第22回「このミス」文庫グランプリ受賞作、もちろん初めての浅瀬明。
ビジネスセンスを備えた人材育成を目指す商科大学で、学内通貨であり卒業単位の元となる“ポイント”を巡って争われる騒動を、実にドラマティックに描いています。
まず発想が良い!加えてキャラも立っていて、特に後半~クライマックスは一気読みなのですが・・・
前半の中弛み感が・・・そこがちょっとだけ残念でした。
ってか、読ませる・・「文章力」って大切と改めて思いました。
Posted by ブクログ
このミス大賞受賞ということで手に取った一冊。物語の設定や文体はとても読みやすく、さらさらと読めてしまうけど、ユニークな舞台設定と一つ一つの設計がしっかりしてるので、予想よりも楽しく読めました。軽いタッチのミステリーで、これはこれで新しいジャンルだな、と思いました。星四つ!
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4賢人だったか。
本筋とは関係ないけど、怒りの根源は「期待」と「現実」とズレであって、それを柔軟にそもそも期待しないor現実を許容できれば怒りは生まれないという考えに共感した。
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架空の大学を舞台にした、ミステリーというよりも次々と新しい展開が起きるエンターテインメント小説で、経済学でいう「神の手」や仮想通貨、インフレといった要素も入り、登場人物たちも魅力的でとてもおもしろかったです。
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テンポが良くて読みやすく
先が気になる為
隙間時間さえあればたった5分しかなくても読んでしまった。
こんな大学があれば学生生活楽しそうだと感じた。
みんな頭が良くて読んでいて気持ち良かった。
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斬新な設定と複雑なシステムであるのにも関わらず、読みやすかった
このミス大賞に選ばれていたので期待していたが、ミステリー的な内容は特に刺さらなかった
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支払いや単位売買までできる独自「ポイント」制度のある庭大。
家庭の事情であと半年で卒業しないといけなくなった降町は、大量のポイントを獲得しようと奔走する。
2024年「このミステリーがすごい!」大賞文庫グランプリ受賞作。
キャラクターが多彩で読みやすかった。
登場人物たちの思惑や目的が明かされていくところがミステリーなのかな。「犯罪プラン」というタイトルは合ってない気がするけど。
協力してもらってるのに主人公が不義理だよねー。なんやかんや一番株が上がったのは黒河。
Posted by ブクログ
設定が面白く、分かりやすくてサクサク読める小説でした。
損得や幸福がどういうものか、心に残るような台詞もあり読んでよかったと感じました。
終わってみればこのくらいの内容でちょうどいいなと感じましたが、もう少し深掘りしてほしかったなと思う部分もありました。
Posted by ブクログ
3分間ミステリーという短編集にこの著者の「父が小学生のころに」という話が載っていて、とても面白かった。ので、購入。
お話のアイデアはとても面白かった。が、始終、説明を読んでいるような気持になってしまったのは自分の理解力の問題なのだろうか、、
共感したところをメモ
「幸福とは困難なもので同時に困難が人に幸福を与える」
人は”幸せな状態”に長くいると幸せを感じなくなってしまって、で、どういうときに幸せを感じるかというと幸せな状態に行き着く過程、みたいな話。
Posted by ブクログ
学生・青春系はなかなか物語に入り込みにくいのはいつも通り。途中までどこがミステリーなのかと思う展開に少し我慢。金言が多くて陶酔したので、心が疲れてる時に読んだら元気出そうだ。
Posted by ブクログ
ビジネスセンスに特化した人材を育てる事を目的とした大学が舞台の物語でした。設定が面白くサクサク読めましたが所々で自分には難しい言い回しがあったりで少し物語に没頭しきれませんでした……。
Posted by ブクログ
校内専用の仮想通貨で経営を実践的に体験しながら学ぶ大学が舞台
ミステリーと聞いて想像していたものとは違ったけれど,展開はサクサク進み読みやすく楽しめました
何気に深い言葉もあったりして、なんか自分も賢なっている気がしましたね笑
Posted by ブクログ
ミステリーだけど初めて読む感じのジャンルで面白かった。映像化されても面白そうだとおもった。
賢い学生たちの行動、やり取りが読んでいて気持ち良い。
この特殊な学校に入ってみたいと思ったけど三賢人のような天才的なアイデアや取り組みはできなさそう。
Posted by ブクログ
主人公の通う大学は、学内サークルという起業活動を行えば学内通貨が入手でき、学内での何でもやサービスや単位まで売買できる。
そんな中、実家の商売が傾いて、まだ2年生なのにあと1年で卒業しなければいけなくなった。
不正摘発ゼミに入り、不正を摘発して小銭を稼ぎつつ、逆に情報屋に取り入れられて他の大きなサークルを摘発したり、メガネ型デバイスのアプリを作って商売をしたり。
商売のやり方と政治力の小説だった。一応思いもよらぬどんでん返しがあったので、ミステリーなのかな。
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「人が苛立つ原因はたったひとつ(中略)
「頭に思い描いたイメージと現実とがずれることだよ。予定を頭の中で組み立てるから、それがずれたときに苛立つ。相手にやってほしいことやこうあってほしいと思うことを頭に思い描くから、期待と違ったときに苛立つ。頭で想定したとおりにうまく事が運ばないから苛立ってしまう。そこで現実のほうをなんとか頭のイメージに近づけようともがくから、余計に苛立つ」