水波誠のレビュー一覧

  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    あまり知られていない事柄も含めて、昆虫の脳についての一般的な知識をもれなくコンパクトにまとめた印象。

    左右と額の三つ目や錯視も扱う。個体と群れかによって、変温動物だが恒温動物としても受け取れるというあたりはおもしろい。
    『群れは意識を持つか』でも考えさせられたが、昆虫は個と群の社会性の問題があるので、読んでいてどれも飽きない。

    0
    2019年09月27日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    バイオロジーのバックグラウンドがないと全てを理解するのは難しいが、説明にも手抜きがない力作。長年、真摯に昆虫研究に打ち込んでこられた様子が垣間見えて好感が持てる。C.Elegansのように、全ての遺伝子、ニューロンの配置が解明された生物もあるが、昆虫は1ミリ立方の脳に100万個程度のニューロンとそこそこ複雑だ。霊長類のような大型の動物との違いはもちろん多く、色覚など紫外線、青、緑に感受性があり(赤はない)、短波長側にずれている。体が小さいため視力も0.01とか0.02程度で空間分解能に劣る。その代わり明暗の検出や時間分解能は優れており、ハエには蛍光灯のちらつきも見えているそうだ。神経回路は単純

    0
    2011年08月07日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    バイオミミクリーへの関心から派生して「昆虫」の本を読んでみる。

    そういえば子供の頃は、昆虫好きだったなと思い起こしつつ、最近の「昆虫」への関心は、1年半くらい前に宮古島でキャンプをした時にスタートしている。

    自然のなかで、ボーとしたり、散歩したりしているなかで、目の前を蝶とか、蛾とか、色々、昆虫が飛んでいる。

    ふと、こんなに小さなものが、どうやって飛行を制御しているのだろうという疑問が湧いた。

    小さの蝶の大部分は、羽で胴体の部分は限りなく小さくて、脳もほとんどないに等しい大きさ。

    こんな小さな脳でどうやって様々な情報を処理して、それを動きに伝達して、風とか、色々な条件の変化に素早く適

    0
    2017年11月12日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    [ 内容 ]
    ヒトの脳に比べてなきに等しい昆虫の脳。
    ところが、この一立方ミリメートルにも満たない微小脳に、ヒトの脳に類似した構造が見られることが明らかになってきた。
    神経行動学は、ファーブルやフリッシュを驚嘆させた「陸の王者」の能力を、精緻な実験によって脳の働きと結びつけ、ダンスによる情報伝達、景色記憶、空間地図形成能力など、昆虫の認知能力の解明に乗り出している。
    本能行動の神秘に迫る最新生物学の成果。

    [ 目次 ]
    第1章 昆虫の繁栄を支える小さな脳
    第2章 ファーブルから現代まで
    第3章 複眼は昆虫の何をものがたるか
    第4章 単眼はどんな働きをしているか
    第5章 空を飛ぶしくみ
    第6章

    0
    2011年04月01日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    (アリ飼育者向けのレビューです)
    直接アリに言及しているのは「第10章 ハチやアリの帰巣と偏光コンパス」くらいだが、この章がなくても十分に読む価値のある本。
    昆虫がどのように周囲の情報を受容し、処理し、活動しているのか、研究の最前線を紹介しつつ、一般向けに解説した意欲的な新書である。
    個別の昆虫についての話ではなく、ゴキブリ・トンボ・ハエ・コオロギ・ハチなどトピックによって使っている昆虫は違うが、昆虫一般に共通する内容を取り上げているようだ。
    昆虫の行動を見て「ちっこいくせに、ちょこざいな!」と思ったことのある方で、どんな仕組みになってるのか興味があるなら、必読。

    読んでみてまず、昆虫が思っ

    0
    2019年01月16日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    興味深い本だった。面白い、というには読むのに努力が必要だ。専門用語が山のように登場するためだ。そこはまあ仕方がない。神経に関わる言葉、化学的な用語、略称の山。それはまあ読み飛ばすつもりでも大丈夫ではある。
    冗長性のあまりない小さな昆虫の脳がいかに優れているのかがよく判る。そしてほ乳類い代表される大型の、冗長性の高い脳のあり方との違いがよく判る。
    虫の眼で見た世界が自分の見ている世界とどう違うのか、この本で初めて理解出来た。複眼の歴史の本やらいろいろ出会ったことはあるけれど、ここまできちんと書いてくれないと判らない。もちろん専門用語は今でもよく判っていないのだけれど。
    しかし、昆虫には自分のこと

    0
    2009年10月04日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    水波誠 著「昆虫ー驚異の微小脳」、2006.8発行。この本も池澤夏樹氏が書評の本で面白いと推薦されていたので、一読しました。私にはとても専門的で難しい内容でした。ただ、ヒトの巨大脳に比べ、1立方ミリメートルにも満たない昆虫の微小脳が素晴らしいものであることはよくわかりました。陸の王者、昆虫の素晴らしい点は3つ。翅による高い移動能力、変態により成長と繁殖の完全分離の実現(効率的な資源利用)、花をつける植物と共生関係。いずれも神経系の働きが密接に関係しているそうです。ヒトと昆虫は進化を極めた双璧なんですね!

    0
    2020年08月15日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    昆虫にも記憶や学習ができるとは全くの驚き。特に蜂やアリのような社会性を持ったやつらは、他の昆虫たちに比べ、コミュニケーションが必要な分、頭がいいらしい。高々100万個程度のニューロンで景色を記憶できるのだから本当に、驚異の微小脳である。

    0
    2018年10月23日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    昆虫の神経行動学がここまで進んでいるとは驚き。この知見は応用がいくらでも利くだろうし、今後の発展が楽しみ。

    0
    2013年11月21日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    ムズイ!論文を読んでいるよう。これで平易に解説をされているとは・・。でも昆虫は人間が思っている以上に高度な脳をもっていることが大変よく分かりました。

    0
    2012年09月08日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    昆虫は、地球上で最も繁栄した動物群である。その繁栄の秘密は、彼らの小さな脳(微小脳)にある。本書は、新書ながら、昆虫の神経科学についての知見を網羅した教科書的な本である。

    とても勉強になったが、厳密性を追求するあまり、決して読み易いとはいえないのが残念だ。一般向けの読み物というよりはむしろ、専門家を対象とした巨大な総説である。執筆には相当の労力を費やしたと思われる。(実際、5年もかかったらしい。)航海中の船は、幾度も難破しかかった。

    大気によって散乱された太陽光が偏光していることは、知らなかった。レイリー散乱によるものである(空が青く、夕焼けが赤い理由)。ハチやアリの複眼は、偏光方向を検出

    0
    2011年09月24日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    複眼や視力のくだりが面白かった。
    ハエからみると人間はスローモーションである、といったような。
    後半難しくて読み飛ばしてしまいました・・・

    0
    2011年02月14日
  • 昆虫―驚異の微小脳

    Posted by ブクログ

    わずか一立方メートルにも満たない昆虫の脳に着目した本。
    報酬系や短期記憶、長期記憶など、自分が元々興味を持っていた分野は、実験手順からも哺乳類との共通項などを感じ、大変面白く読むことが出来ましたが、それ以外の分野では自分の不勉強さを実感させられました。むつかしー!勉強し直さないと全部を理解することは到底出来なそうです。とは言え、昆虫の大きな目<複眼>の間にある、小さな目<単眼>や、景色の記憶に関わるキノコ体など、今まで知らなかった昆虫の構造を知ることが出来た本でした。
    いやー、しかし、この本を読んでると実験体として扱われるワモンゴキブリがさすがにちょっとかわいそうに思えました。がんばれ!(?)

    0
    2009年10月04日