千葉勝美のレビュー一覧

  • 同性婚と司法

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    各地裁の合憲違憲の判断とはどのように検討されてきたのか、同性婚も当然認められるとした場合一夫多妻や三者間の婚姻も許されるとモラルハザードのおそれがあることなど法律初心者にとって興味深い内容。
    グローバル化や社会常識の変化によって当時の想定していなかったことを排除しても良いのか。
    憲法の変遷という考え方など興味深い内容。

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    2025年04月02日
  • 同性婚と司法

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    元最高裁判事の千葉さんが、札幌地裁判決等の一連の同性婚訴訟のロジックを検討し、憲法24条1項と正面から格闘する必要があるとの判断のもと、米国最高裁の同性婚認容判決、ウォーレンコート、そして、我が国の定数訴訟、非嫡出子法定相続分訴訟の最高裁判決をヒントに、「両性」「夫婦」との文言に憲法の変遷が生じたとして、同性婚も、憲法24条の保護の対象であると力強く論じる、個人の尊厳、人間愛に満ち溢れた一冊です。広く読まれて欲しい、そして、最高裁に一歩踏み出して欲しいと切に感じます。

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    2024年03月04日
  • 同性婚と司法

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    ネタバレ

    2015年アメリカのオバーゲフェル判決=同性婚を禁止する州法を違憲とした。賛成意見は「結婚ほど深遠な結びつきは存在しない。文明の最も古い制度から閉め出されるべきではない。」。反対意見は「同性婚は長年、価値観就航的信念などの大きな対立がある。民主主義的基盤がない司法が憲法に明文の規定がない権利を認めて、一方の価値観に軍配を上げるのは控えるべきである」

    日本国憲法24条の「婚姻は両性の・・・」異性婚を表している、という解釈が成り立つ。
    日本のLGBTQの割合は10%をやや下回るくらいといわれている。
    同性婚は、ヨーローパ、台湾など数多い。
    共同親権、相続、遺族年金、など実質的な権利だけでなく個人

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    2024年06月18日
  • 同性婚と司法

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    元最高裁判事である著者が、執筆時点で判決が出ていた5つの地裁の憲法判断を検証し、また、米国の同性婚認容判決や過去の日本の最高裁大法廷判決の積極的司法の先例をヒントとして参照しつつ、同性婚を認める方法が憲法の解釈・適用として可能なのかどうかを検討。
    憲法訴訟に最高裁判事として実際に携わってきた著者が安全圏から一歩踏み出して私見を世に問う意欲作であり、とても刺激的な内容だった。同性婚訴訟の5つの地裁判決についてもよく整理されていて、同性婚についての憲法問題を考える上で非常に勉強になった。
    著者の結論の一つである「同性婚も憲法24条の婚姻に含まれる」という憲法解釈は、率直な文理解釈では確かに無理があ

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    2024年04月26日