浅古泰史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書はその理論を主に政治家の振る舞いをモデルケースに簡便なモデルで解説したもの
独裁者と民主主義の代表は本質として自身の政権維持という目的は同じであるが、そのために前者は少数の有力者の支持が必要であるために合理的な判断として一部の特権階級者への賄賂を、後者は多数の一般人の支持が必要であるために、現金そのままでは一人当たりの利得が少なすぎるので公共事業をやるというのは興味深い
独裁者は一見して権力を持って自由に見えるが、ゲーム理論的に考えるとその分周囲には約束を反故にされるかもと信用してもらえず裏切りのリスクが高いため、逆に裏切られないように賄賂などで媚びを売ったり、議会を設置して自らの権限 -
Posted by ブクログ
ゲーム理論の教科書的な本であり、学び直しにも最適。パレート最適やナッシュ均衡。パレート最適であるとは、他の誰かの利得を下げない限り、誰かの利得を高めることができない状態のこと。ナッシュ均衡とは、すべてのプレーヤーが最適反応を選択している状態のこと。本書の責任ではないが、いつもこれが直感的に分かりにくい。
囚人のジレンマにおいて、自分が自白する場合、相手も自白するなら△、相手が黙秘なら◎。騙し討ちで勝ち逃げだ。一方、自分が黙秘する場合は、相手が自白したら×、相手が黙秘なら◯。お互い黙っているなら、悪くない結果だが、ベストは騙し討ち。しくじっても×にはならない。この個人単位で利己的な判断をする状