田尻久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ著者は若い頃に読んで辛かった本を年を重ねてから読み返すと、辛い、悲しい、悔しいといった感情を内包しながらも、なんて面白い本なんだと驚いたとのことです。
私は昔読んだ本を読み直すことが今までほとんどありませんでしたが、もう一度読んで印象が変わることがあるのであれば、年月を経てまた読み直してみたいと思いました。
本書を読み終えて「コルシア書店の仲間たち」(須賀敦子著)を彷彿する本だと思いましたが、このレビューを書くにあたり、少し読み返してみると、「コルシア書店の仲間たち」を意識して書かれたと知り、私の見立ては間違っていなかったとわかりました。 -
Posted by ブクログ
地元熊本市ではじめ喫茶と雑貨のお店、その後2008年に小さな本屋さん「橙書店」も始めた著者。そんな場所に集まってくるお客さんやイベントのゲスト、スタッフといった人たちとの出会いや関わり、そして別れが優しい文章で綴られる。
熊本ということで、石牟礼道子や渡辺京二のような高名な人も出てくるが、多くは近所の人や立ち寄るお客、幾ばくかの期間勤めたスタッフとの日常のやり取りが描かれる。
書店の店主であり、また文芸誌『アルテリ』の編集も担当している著者であるので、もちろん本のことも取り上げられている。橙書店の棚に置かれているのは主に小さな声、かそこき声が聞こえてくる本たち。そうした本のことを語るとこ