長谷部愛のレビュー一覧
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数日前の天声人語でこの本が紹介されていた。
読んでいる途中だったから驚いた。
本書は気象予報士として活躍する著者が、名画(西洋絵画と浮世絵)や漫画に描かれる気象現象を読み解いていくもの。
それぞれの絵から説かれるのは、雨、雪、雲、風、虹、霧や靄、雷や夕焼け空といったものたち。
たしかに、気象という観点から絵画を改めて見るのは、新しい発見があって、面白い。
描かれている空の様子が豊かな表現になっているイギリス絵画の魅力を改めて発見した。
面白く思ったのは、ゴッホ「星月夜」。
あの火の玉のような星、月の表現はミストラル(フランス南東部に吹く強烈な局地風)を形象化したものではないかという、ホイ -
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天気という視点で読み解く、世界の名画+マンガ、アニメ。
絵が描かれた当時の、その地域の気象にも言及している。
・カラー口絵4ページ
・はじめに
第1章 低地・高緯度のオランダが育んだ「光の絵画」
第2章 島国イギリスの気象が生んだ「風景画」
第3章 温暖なフランスだからこそ印象派が花開く
第4章 豊かな日本の雲と雨
補章 マンガ、アニメで描かれる気象現象
・気象用語解説 ・おわりに ・参考文献有り。
14~19世紀前半までの「小氷期」の影響。
太陽の光を求める人々の渇望に応えた、フェルメールの青空。
気象学を絵画に反映した、コンスタブルの雲の描写。
フランスの記録的な大寒波。その解氷を記録し -
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山田五郎のYouTubeをきっかけに購入。中でも広重と北斎、江戸を代表すると言ってもいい二人の絵師の空に対するこだわりポイントが違うという話は面白かった。北斎はモノクロ絵本も沢山描いてるから、色より形にこだわったんだろうな。
最後の章は直接名画と天気を照合しているわけではない天気の話だが、純粋にへー!と面白い。最近都内で霧を見ない理由とか、夕焼けの色が黄色よりと赤よりで時により違うとか、セミといったらミンミンかジージーのどちらを思い浮かべるかで出身がわかるとか。あとは著者は漫画がお好きらしく、漫画に出てくる天気関連の話も詳しくて興味深い(天気の技を使うキャラといったら個人的にはワンピースのナミ -
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ネタバレ新しい視点での名画解説で面白かった。
が、「天気でよみとく」というほど、絵、そのものの理解のためにお天気を解説していくのではなく、名画の中の空模様から、その時の状況や、描かれた時代、地域の気象条件を 読みとくもので、むしろ、「名画からよみとく」と言ったところだろうか。
いずれにせよ、フェルメールの絵に描かれた積雲から、その時の降水確率は10%くらいだとか、ちょっとした蘊蓄は面白い。
また、フリューゲルの『雪中の狩人』を例に、
「1550年から1849年の間はヨーロッパ全体が寒かったといい、絵画に雪景色が急に増えていった時期になった」
という考察は面白い。
もっとこうした古気