金子信久のレビュー一覧

  • 日本の動物絵画史

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    日本絵画史の中で多彩に描かれた動物たち。
    古代から近代まで、描かれた背景も伴い、
    それらのカラー画像約90点超を添えて、解説する。
    ・まえがき
    I 信仰と動物、失われた美術―古代・中世 第一章~第六章
    II 平和な社会と多彩な動物絵画ー近世 第七章~第一一章
    III 動物の心と人の心ー近世~近代 第一二章~第一七章
    ・あとがき
    主要参考文献有り。

    古墳絵画に描かれた、神獣。飛鳥時代の玉虫厨子の絵。
    奈良時代の正倉院の御物。それらは海外渡来の美術の動物。
    やがて仏教画の涅槃図や禅宗での水墨画にも動物が現れる。
    「鳥獣戯画」の登場。禅の世界でのなんか可愛い動物も。
    安土桃山~江戸時代初期の土佐派

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    2024年06月16日
  • 日本の動物絵画史

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    美術史の一部として、動物を正面から捉えており、私の関心に合っていたので本当に良かった。アジアには、あるいは少なくとも日本には、キリスト教文化圏と異なる動物への考え方があるという歴史を垣間見た気持ちになった。他方で、この分野は研究があまり進んでいないのかもしれない、と少し感じる部分もあり、他の本も進んで読みたいと思う。

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    2024年04月21日
  • 日本の動物絵画史

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    著者は府中市美術館学芸員の金子さん。毎年春の江戸絵画展で楽しい切り口の展示を見せてくれる人です。そういえば上様(徳川家光)のぴよぴよ鳳凰を最初に見たのもここだった気が。そんな著者による江戸時代以外も含めた動物を描く絵画の通史です。
    動物を描く絵画を単に可愛いや可笑しいの視点ではなく仏性を絡めて評価しているのが斬新でした。確かに仏教絵画は動物の宝庫でしたね。
    通史としては明治以降の分量が少ない気もするので(藤田嗣治の猫とかも気になる)、何方か近代編を書いてくれないかしら?

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    2024年04月17日
  • 日本の動物絵画史

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    ここのところの「かわいい日本美術」ブーム。
    著者はその仕掛け人だったかな…?

    本書では古代から近代にかけての、動物を描いた日本絵画を取り上げていく。
    たしかに、古代と近代の記述が少ないとも言えるが…。

    単に「かわいい動物絵画」を、自分が好きなように愛でるのもいいけれど、どんな文脈の中に位置付けられるのかを知ると、一層興味深く絵画に向かえるような気がする。

    例えば、鳥獣戯画(鳥獣人物戯画)。
    動物の描き方のお手本があったのではないかというのだ。
    長屋王の邸跡から出土した、土器に落書きされた猿。
    あるいは平安末期、奥州藤原氏の「柳之御所」から発掘された折敷(よく残っていたものだ!)に描かれた

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    2024年09月15日
  • 日本の動物絵画史

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    面白かった、さまざまな日本の絵画モチーフになった動物たちについて。
    宗教画、仏教絵画、禅画、縁起物、本草学
    「鳥獣戯画」、若冲の「動植綵絵」、応挙の子犬、家光画伯作品。
    ちょっと小さくて見づらくはあるが、フルカラー90点超、
    コスパはすばらしい。

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    2024年02月21日
  • 日本の動物絵画史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1部  信仰と動物、失われた美術~古代・中世
     第1章  海を越えて来た動物の絵
     第2章  《鳥獣戯画》のどこがすごいのか?
     第3章  失われた愉快な世界
     第4章  鹿と竜~神の使いと仏の守護神
     第5章  涅槃図に描かれた動物
     第6章  禅宗と動物の絵
    第2部  平和な社会と多彩な動物絵画~近世
     第7章  獅子と鳳凰
     第8章  縁起物から生まれる創作
     第9章  図鑑に心を遊ばせる  
     第10章  本物に迫る
     第11章  花開く自由な造形
    第3部  動物の心と人の心~近世から近代
     第12章  「禅画の虎」の遺伝子
     第13章  絵の中の動物を愛おしむ
     第14章

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    2024年02月12日