金子信久のレビュー一覧
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日本絵画史の中で多彩に描かれた動物たち。
古代から近代まで、描かれた背景も伴い、
それらのカラー画像約90点超を添えて、解説する。
・まえがき
I 信仰と動物、失われた美術―古代・中世 第一章~第六章
II 平和な社会と多彩な動物絵画ー近世 第七章~第一一章
III 動物の心と人の心ー近世~近代 第一二章~第一七章
・あとがき
主要参考文献有り。
古墳絵画に描かれた、神獣。飛鳥時代の玉虫厨子の絵。
奈良時代の正倉院の御物。それらは海外渡来の美術の動物。
やがて仏教画の涅槃図や禅宗での水墨画にも動物が現れる。
「鳥獣戯画」の登場。禅の世界でのなんか可愛い動物も。
安土桃山~江戸時代初期の土佐派 -
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ここのところの「かわいい日本美術」ブーム。
著者はその仕掛け人だったかな…?
本書では古代から近代にかけての、動物を描いた日本絵画を取り上げていく。
たしかに、古代と近代の記述が少ないとも言えるが…。
単に「かわいい動物絵画」を、自分が好きなように愛でるのもいいけれど、どんな文脈の中に位置付けられるのかを知ると、一層興味深く絵画に向かえるような気がする。
例えば、鳥獣戯画(鳥獣人物戯画)。
動物の描き方のお手本があったのではないかというのだ。
長屋王の邸跡から出土した、土器に落書きされた猿。
あるいは平安末期、奥州藤原氏の「柳之御所」から発掘された折敷(よく残っていたものだ!)に描かれた -
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ネタバレ<目次>
第1部 信仰と動物、失われた美術~古代・中世
第1章 海を越えて来た動物の絵
第2章 《鳥獣戯画》のどこがすごいのか?
第3章 失われた愉快な世界
第4章 鹿と竜~神の使いと仏の守護神
第5章 涅槃図に描かれた動物
第6章 禅宗と動物の絵
第2部 平和な社会と多彩な動物絵画~近世
第7章 獅子と鳳凰
第8章 縁起物から生まれる創作
第9章 図鑑に心を遊ばせる
第10章 本物に迫る
第11章 花開く自由な造形
第3部 動物の心と人の心~近世から近代
第12章 「禅画の虎」の遺伝子
第13章 絵の中の動物を愛おしむ
第14章