会沢正志斎のレビュー一覧

  • 新論

    Posted by ブクログ

    カップの半分の水を見て「半分もある!」「半分しかない!」と、意見が、その人の心理によって分かれる———きっと誰もが目にしたことがある有名な話だと思います。

    会沢正志斎さんは、その例を先んじて語っていたので、歴史や世界への情報に長けるのはもちろんのこと、人にわかり易く伝える例え話がうまいなぁと思えました。

    彼の場合は、江戸の町に集まるお米の話です。
    米が取れすぎて余ってしまうから、売り捌いて、外貨を稼がなくては!と躍起になる思想への忠告という旨でした。
    江戸の街だけを見れば、武士も米も余りあり、始末しなくてはならないと見えますが、実はそれは「江戸に集まっているから“多く見える”」だけなのだと言うことです。

    シーパワー・海洋国家の日本は、海に囲まれるがゆえに守られて来ましたが、黒船のような存在が現れたことによって、逆に、四方八方どこからでも船の水路となり、あらゆるところを警戒しなくてはいけなくなったのです。

    ならば、江戸に集まる武士や米を方々に散らせ、その土地に住まわせ、実らせ、働かせ、食わせれば———余るどころか、少し足りないぐらいになるはずだと、彼は説きました。

    戦国を生き抜いた、戦うための精神、身体、経験は、長い平和によって忘れられ、無用な武士や俸禄が増えすぎたのなら、それらをしっかり意味のあるものに変えていきたい———持て余して享楽的に生きるしか退屈を凌げない哀れな武士と、そんな武士たちを罵る民草の不毛な苛立ちを治め、誰もが互いの幸せのために懸命に生きるよう、励ましてくれました。

    厳しいことが続いて記されているように見えますが、終始、彼は日本と世界の未来の幸福を目指して、励ましてくれているように思えます。

    現代語訳の部分だけを読んでいけば、それほど多いボリュームでもないので、是非とも、激動の時代に悩み、元気を無くしてしまった人への、勇気と応援のメッセージとして、この本を手に取っていただけましたら幸いです。

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    2024年05月28日
  • 新論

    Posted by ブクログ

    『新論』を読んで、日本の伝統や国を大切にする心の大切さを強く感じた。
    会沢正志斎は、日本が外国に流されず、自分たちの考えを持つべきだと述べていた。
    特に、天皇を中心に国がまとまるという考えが印象に残った。
    当時の日本は外国の力が強まっており、不安な時代だったことが分かった。
    その中で、日本人としての誇りを守ろうとした考えは理解できると思った。
    また、学問だけでなく、行動することの大切さも伝わってきた。
    一方で、外国を強く警戒しすぎているようにも感じた。
    現代では、外国と協力することも必要だと思う。
    しかし、自分の国の文化や歴史を大切にする姿勢は今でも重要だと感じた。
    『新論』は、幕末の人々の危機感や日本を守ろうとする思いが伝わる作品だった。

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    2026年05月16日