プレイステーションの開発に携わったほか、楽天やKPMGも歴任された筆者による「ものづくり論」。
私は元々文系の人間だが、現在の職場では、機械やプラントの設計をするエンジニア達に囲まれている。エンジニアリングに求められるマインドや能力について改めて考えてみたくなり、手に取った。いつものように、いくつ
...続きを読むか心に残ったポイントをメモに残しておく。
・「早すぎる」こともあるので途中でやめないことが大切。アイディアをすぐに却下してお蔵入りさせてはいけない。ナレッジとして蓄積が必要。可能性の芽を摘まない。
・収益が得られない時期に我慢して先行投資することが重要。種を撒いても、すぐに芽は出ない。1年後に突然目が出ることもある。ずっと先まで実がならない。
・エンジニアリングは、実世界の多様な条件に耐えられる力を与える役割。多様な条件を1つ1つ想像し、潰していかねばならない。
・エンジニアリングは地道な作業。1つずつ仮説を立てて実験して検証する。ユーザーは通常「有り得ない」使い方をするリスクがあり、そこまで想定して試験することもある。
・ゲーム機の開発はターゲットが「子供」であり、マニュアルが無くても感覚的に操作して楽しめるように設計する。ここまで徹底したユーザー目線も、エンジニアリング思考に必要ではないか。