ロバート・M・サポルスキーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった。
要点としては、自己自身を原因とするような存在はない、ということだと思う。
それが本書で繰り返し言及される、全てはカメ、宙に浮いたカメはいない、などの例えが主張していることだと思う。
本書の主張自体は妥当かなと思ったし、神経科学は知らないことばかりだったので勉強になった。
ただ、時々書かれる誰かに当てつけたような文章は要らないかなと思った。
創発とか複雑系などのワードはそれぞれの構成要素を超越した何かを生み出してるような気にさせるが、本書の主張する通り構成要素のもつ制約は何も変わってないと思う。
というか、環境との相互作用によって創発現象が起きているのであって、周囲の環境や世界の法則を飛び出し法則の外側で無から有が生み出されているわけではないと考えている。
確率論なども原因因果とは違う法則になるのかもしれないが、全く無関係なものが無から生じているわけではないでしょと思う。
仮にそうだとしたら自由意志の擁護どころか無秩序な世界になりかねない気がする。
まあ単純な原因因果では説明できない領域もあるとは聞くが、無から有が湧いてくるような理論はあり得ないし、そんな理論があっても理論として無意味なので、そんなに気にすることでもないかなと思った。
本書でも述べられているように、両立論者は自由意志はあって欲しいとか無いと困るからあると主張しているように感じた。
だけど、そうであって欲しいやそうであるべきと、そうであるは違う。
それにそんな人たちの立場はどうでもいいし哲学ではないかなと思った。