佐藤志敦のレビュー一覧
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裏社会に通じている子どもたちと共闘して横暴な大人に立ち向かっていく話はディストピアものなどによくあるけど、こちらは19世紀末のロンドンとパリが舞台。子どもの個性なんか尊重されず(というか、そもそもそんなものがあるとも思われておらず)大人にとって便利なように生きさせられるという意味では、やはりそこにもディストピアがあったのかもしれない。
この物語は、魔法は出てこないけど一種のファンタジーでもあって、屋根の上をひたすら渡り歩いていくのでなんかずっとヒヤヒヤしながら読んでいたけど、そういう意味で冒険心のようなものは満たされたかな。でも、最後、チャールズはどうなるとか、マテオをはじめとするRooft -
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骨太なファンタジー。主人公イサは「冒険と地図と、悲しい結末の“伝説”が好きな13歳の少女。「伝説は、おおむかしに本当にあったのに、みんなが現実じゃなかったっておもおうとしていることだよ」というイサのセリフに頷くばかり。イサは、大国から見たらいわゆる流刑地と呼ばれる地に住むふつうの女の子。女の子だからって冒険しちゃいけないの?と思う気持ちに大共感でもこの作品でとりわけ惹かれたのは、イサの友だちループで、〈ジョヤ島〉の総督の娘だ。彼女の父娘関係にぐいぐい引きこまれた。薄々感じていたけれど、謝辞にあった「むかしながらの祖父母像からいちばんかけ離れた、だからこそ最高のイボンヌとジョンに」という作者の言
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沈没した豪華客船から救出された赤ちゃんのソフィーは、イギリス人のチャールズの元で愛情たっぷりに、自由にすくすくと育っていた。それなのに、お役所から来た人たちはチャールズに女の子を育てることは出来ないと決めつけ、ソフィーとチャールズを引き離そうとする。そんな中、ソフィーの母親の手がかりが見つかり、ふたりは役所の手を逃れてパリへと向かう。パリで出会った屋根の上で暮らす少年少女たちの助けるを借り、ソフィーは母親の手がかりを求めて警察署の中に忍び込む。
イギリスでの愛情あふれるふたりの生活がとても素敵。芯があり、でもどこか世間から外れたチャールズがとても魅力的だ。チャールズに対する絶対的な信頼がある -
Posted by ブクログ
地図職人の父親に地図作りを学んだ少女は禁断の森の奥へと向かった友を助けにその森へと入っていく。
正直物語そのものはどこかでみたような聞いたような話のツギハギ感は否めないんだけど主人公の地図を愛して地図を読むようにして生きていくその描写が真っ直ぐで応援したくなる。
全てに答えがあるわけではないので出てきた化物はなんなのかとかその島の謎は結局なんなのかわからないことだらけではあるんだけれど主人公はそれでも地図を描きながらこの先生きていくんだろうというのが爽やかでよい童話を読んだなぁという気分でした。小学生におすすめの本。
別件だが、この本は人気が出た後イラスト入り特捜版が出る事となり、特装版はウク