松尾健治のレビュー一覧

  • 組織衰退のメカニズム 歴史活用がもたらす罠

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    本書は、戦前の大企業である鐘紡の戦後の歩みを例に取り、組織衰退のメカニズムを実証的に論じたものである。唐の名君太祖李世民は臣下の諫言を積極的に聞くことで己を戒め貞観の治を実現したが、本書は今日の経営者にとって「諫言」となるものである。貞観政要と並んで経営者必読の書と言ってもよいと思う。

    本書は、博士学位取得論文をもとにしているため、論文の作法に慣れていない読者は、「終章考察と含意」から読むことをオススメする。出版社は、「終章考察と含意」の内容をさらに噛み砕き、図表をさらに追加して新書として出すべきだ。それだけの価値が本書にはある。古典として読み継がれていってほしい本である。

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    2024年02月04日
  • 組織衰退のメカニズム 歴史活用がもたらす罠

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    ・支配的リーダーによるパワー行使
    ・高すぎる目標とその希求
    ・過去の成功体験の正当化、絶対視
    ・深化と探究、どちらかの極端な傾倒

    など、さまざまな要因が絡み合い、変化に対応できず競争力が落ちて衰退へと繋がるというもの。

    いくつもポイントはあるけど、個人的なハイライトは、業績を良くしたい気持ちは皆同じなのに、"意図せざる結果"を招いてしまったという点。

    また、成功体験から学ぶこと自体は悪いことではないが、"過去の栄光"を絶対視すると他を排除する罠にもなる点。

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    2024年01月13日
  • 組織衰退のメカニズム 歴史活用がもたらす罠

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    経営に関する書籍の中でも一級の名著。企業が衰退する様相を、深く描いている。圧倒的な迫力に、読みながら何度も手が震えた。研究書の位置づけではあるが、研究者のみならず企業経営者、そして企業で働く多くの社会人にとって必読の書といえる。

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    2022年11月19日
  • 組織衰退のメカニズム 歴史活用がもたらす罠

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    成功した経験をもつ組織がなぜ、どのようにして衰退するのかについて、戦後の鐘紡を事例として分析。鐘紡の破綻については、当時、ビジネス書や雑誌などで盛んに書かれたものだが、いずれもふんわりした内容という印象はぬぐえなかった。本書は社内資料や当事者にアクセスして緻密かつ長期的に鐘紡が衰退する因果を描き切っている。これこそ真実の書といえよう。

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    2022年08月08日