めちゃくちゃ刺さりました。世間の「普通」とはかけ離れた道を、泥臭くても、不器用でも、自分を信じて突き進む芸人さんたちの姿に、何度も心を揺さぶられました。
特に心に残ったのは、**「売れなくてもいいなら、芸人なんて誰でもなれる」という言葉が、いかに的外れか**を痛感させてくれたことです。
この本に登場する芸人さんたちは、売れることだけが目的じゃない、もっと深いところで「お笑い」という生き方そのものを選び取っている人たちだと感じました。
自分を貫くこと、世間の評価なんて気にしない強さ、そして何よりも自分自身の「面白い」を信じ続けること。彼らが持つ特別な資質は、才能とはまた違う、**魂の輝き**のようなものなんだと思います。
もちろん、成功を掴んだ芸人さんも素晴らしいけれど、この本で描かれている、いわゆる**「売れてない芸人」さんの圧倒的な魅力と生き様**に、目が離せませんでした。
個人的に一番衝撃的だったのは、**ねろめさんの「無観客・無配信単独ライブ」**のエピソード。
誰に見せるわけでもなく、ただ自分の「やりたい」という衝動だけを形にする。パンフレットもネタも、撮影まですべて完璧にやりきって、誰にも見せない。バカバカしすぎて、最高にかっこいい。
「なんでそんなことするんですか?」と問い詰めたくなりますが、この“無駄”に思える行為こそが、彼らの存在そのものを物語っている気がします。
この本を読む前には、才能あふれる若者が順調に成功を収めていくノンフィクションを読んでいたので、なおさらこの「売れない」ことを恐れずに、むしろ楽しんですらいるような芸人さんたちの世界観に、脳がバグりそうになりました。
でも、**どちらの人生も、めちゃくちゃ輝いて見える**んですよね。
正解なんてないし、人と比べても意味がない。ただ自分が信じる道を、自分が納得いくまで歩むこと。
彼らから教わったのは、そんなシンプルな、でも一番大切なことだったように思います。
「ああ、やっぱりお笑いが好きだなぁ」
「芸人さんたち、心から尊敬するなぁ」
読み終わって、そんな気持ちでいっぱいになりました。
お笑い好きはもちろん、自分の生き方に迷いがある人、何かに夢中になれるものを見つけたい人にも、ぜひ読んでほしい一冊です。きっと、彼らの「病」がうつって、人生がもっと面白くなるはず。