村上由鶴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
フェミニズム批評、フェミニズムアートについて、一般人にわかりやすく紹介した入門書。非常に平易な言葉で書かれており、大変わかりやすかった。
アートの世界の敷居の高さ、高慢で排他的なありようを批判している。差別を上位/下位、中心/周縁の構造で捉え、声をあげ始めた下位/周縁の人々の中で、さらに下位/周縁に押し込められる人々が出てくる(白人女性フェミニストによる黒人差別など)という指摘は大変頷けるものだった。
一方で疑問に思ったことがある。フェミニズムアートは、見ていて不快になるようなものが多く、それは世の中を批判するためにあえてそうしているのだということはわかったが、普通に美しいものや見ていてう -
Posted by ブクログ
クリストを初めて知ったのはマイアミの島をピンクの布で包むプロジェクトからだったかな…その時の作品クレジットは確実にクリスト単独でした。しかし、いつだったか忘れちゃったけど、過去の作品を含めすべてを彼のパートナーであるジャンヌ=クロードと連名にすると宣言したのに驚いたことを思い出しました。本書で紹介されるジャクソン・ポロックとリー・クラズナー(この本で初めて知りました…)の夫婦のエピソードに触れた時でした。ポロック1912年生まれ、クリスト1935生まれ…世代の違いなのか、教育の違いなのか、持っている資質の違いなのか、確実に女性に対する向き合い方が違っています。映画の世界では#metooに始まる