ユーザーレビュー アートとフェミニズムは誰のもの? 村上由鶴 性差別問題については、個人的に関心を持って目にした記事や書籍を読んで理解をし、日々の生活の中での言動を気にする様にしているが、それでも無意識のうちにそのつもりは無くても、差別的な言動をしてしまったと後から思う事は多々ある。 自分の育った環境や教育の影響だと思うので、これが解消されるのは、何世代もかけ...続きを読むて差別意識を薄めていくしか無いのではないかと感じてしまう。 Posted by ブクログ アートとフェミニズムは誰のもの? 村上由鶴 アートとフェミニズムという、一見よく内部が見えないもの同士を互いに関連づけながら読みといていく新書。 中立的な文体で安心して読み進められた。 上位⇔下位/中心⇔周縁という構造が、社会的にも歴史的にも繰り返し表れていることが分かった。 フェミニズムに関心があり読んだが、現代アートの課題も知ることがで...続きを読むきて良かった。 アートもフェミニズムも「みんなのもの」と言えるにはまだ遠いけど、タコツボから抜け出してまずは自分とそのまわりから変わっていく、そんな勇気をもらえるような本だった。 Posted by ブクログ アートとフェミニズムは誰のもの? 村上由鶴 クリストを初めて知ったのはマイアミの島をピンクの布で包むプロジェクトからだったかな…その時の作品クレジットは確実にクリスト単独でした。しかし、いつだったか忘れちゃったけど、過去の作品を含めすべてを彼のパートナーであるジャンヌ=クロードと連名にすると宣言したのに驚いたことを思い出しました。本書で紹介さ...続きを読むれるジャクソン・ポロックとリー・クラズナー(この本で初めて知りました…)の夫婦のエピソードに触れた時でした。ポロック1912年生まれ、クリスト1935生まれ…世代の違いなのか、教育の違いなのか、持っている資質の違いなのか、確実に女性に対する向き合い方が違っています。映画の世界では#metooに始まるキャンセルカルチャーが吹き荒れていますが、アートの世界も同じことはあるのは、そりゃそうだよね、です。なにしろ女性の裸を嬉々として描き続けた歴史ですから…。だからアートとフェミニズムの掛け合わせって最初は???でしたが読んでいるうちに!!!な気分になりました。ゲルニカやバンクシーを持ち出すまでもなく、現代アートが現代社会の合わせ鏡だとしたらジェンダーというテーマは避けて通れないものだと確信しました。作者のいう「内なる敵」、つまり自分の中にあるポロック的なる要素をクリスト的なるものに変えていけるか?を問題意識として持ちました。アートへの向き合いについて「無知の知」ならぬ「鈍感の感」を教えてくれた新書でした。最初はずいぶんマニアックなテーマだと思いましたが最後はかなり普遍的なテーマであることを知りました。 Posted by ブクログ アートとフェミニズムは誰のもの? 村上由鶴 Twitterで過度に行われるフェミニズム批判、変だと思ってた。何故そこまでしてフェミニズムを嫌悪するのか。 フェミニズムを知ることで、自分が女として過去に受けてきた性的な眼差しや消費、評価、態度、言葉が蒸し返されて辛くなった。 でも、この辛さに蓋をしてはいけない。蓋をして黙っていることは今の権威...続きを読む主義を維持する方についてしまうから。 辛くても、気持ち悪くても、四章のアーティスト達みたいに、社会へ伝えなきゃ変わらない。 女性達の権利だけではなく、同時に男性も障害者も子どもなど、多様な在り方をする人間たちの虐げられてきた過去を考え直して、それぞれが生き生きと過ごせる社会になればいいと思う。 Posted by ブクログ 村上由鶴のレビューをもっと見る