ならののレビュー一覧
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Posted by ブクログ
抜群に読みやすくてわかりやすい「日記のすすめ」。
1章で出てきた、「書くことは考えること」であり、「考えるとは『答え』を出そうとすること」だというヤドカリおじさんの言葉が自分の中でとても納得感があり、スッと腑に落ちました。
自分の普段の生活を顧みても、仕事や雑事に忙しく、余暇はSNSのショート動画を見ているうちにあっという間に過ぎてしまって、自分自身とじっくり向き合い、考える時間って全然とれていないなぁと思います。
自分をもっと知り、好きになって、人生を堂々と前向きに歩んでいくために、日記を書くことは確かにとてもいい方法で、自分も書いてみようと素直に思える内容でした。
あと、舞台が海の中で登場人物たちが海洋生物なので、ファンタジックでとっつきやすく、読み心地が深刻にならないのもいいなと。
頭の中でタコジローたちが暮らす海の中のきれいな町を想像しながら、また、『走れメロス』が『泳げメロス』だったり、おやつがこんぶチップスやうみぶどう味のアイスだったりの小ネタにもクスッとしながら、楽しく読むことができました。
特にタコジローと同じように悩んでいる中学生に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。 -
Posted by ブクログ
著者は「嫌われる勇気」で知られるベストセラー作家。中身は小説とノウハウの間をいくような作品で、彼の手によって読者は、「日記書きてー!」となるのだ。
本作の舞台は海、主人公はタコのタコジロー。タコジローは引っ込み思案で、その性格ゆえクラスメイトからいじめに近いイジリを受けている。そんなある日、タコジローの通う学校で体育大会が開催される時、タコジローはクラスメイトの悪ノリで選手宣誓を任される。憂鬱な気持ちのタコジローは学校をサボるようになってしまう。そんなある日、タコジローは公園で、ヤドカリのおじさんと出会う。ヤドカリのおじさんは自己嫌悪でいっぱいのタコジローに「自分との人間関係の築き方」をゆっくりと語る、という話。中高生向けに書かれたというこの本は、大人にも響く内容が非常に読みやすく書かれていて、読んでいて「心地よい」という感情を抱いた数少ない本の一つだった。 -
Posted by ブクログ
あらすじを読まずタイトルだけでエッセイ本だと思って読み始めたら、タコジローとヤドカリおじさんの対話を通して「書くこと」「考えること」を描く寓話でした。
特に心に残ったのは、「書くことは、考えること」という話です。私はジャーナリングが苦手で、なかなか続きません。書く作業そのものが面倒なのだと思っていましたが、本当は「考えること」は大変なことなのだ、と言われて妙に救われました。
けれど、考えることを放棄すると、誰かが用意した「わかりやすい答え」に飛びついてしまう。面倒でも、自分のことは自分で考えなくてはいけないのだと思わされます。
「答えを出さない、答えを決めない」ことで可能性を残しておきたくなる、という話も痛かったです。決められずにいる苦しさはあるけれど、その状態にいれば、まだどちらにも進める。それはある意味、真剣に考えて決断することから逃げている状態でもあるのかもしれません。
「みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる」という言葉からは、平野啓一郎さんの『私とは何か――「個人」から「分人」へ』も思い出しました。相手によって違う顔を持つこと自体は自然でも、いろいろな人の中にいるうちに自分の軸が見えなくなることがあります。だからこそ、ひとりになって自分に戻る時間も必要なのだと思います。
「言葉の暴力はコスパがいい」という表現も印象的でした。簡単に使えて、その場では証拠すら残らないこともある。でも、受け取った側のやわらかいところには長く残ってしまう。言葉を使う側として忘れたくない感覚です。
ヤドカリおじさんの言葉は、どれも優しいのに激痛を伴いました。見たくない現実や、考えたくないことを、一つひとつ丁寧に言葉にして差し出されるような本です。
休憩しながらでも、考えることから逃げないこと。
そして、言葉をちゃんと自分の味方にすること。
日記を書くための具体的なヒントもあり、今度は実践する側として、この本の言葉を思い出したいです。 -
Posted by ブクログ
知人に紹介してもらって読んだ本。会話形式で進んでいくのでとても読みやすかった。
装丁がきれいで可愛くて、手触りもよくて大好きです。
印象に残った部分として、「文章はその時点での答え」「ことばを探す面倒くささに、屈している」「過去形で、解決済みのこととして書く」というところ。
読書もその時はその部分が刺さったけど、時間が経って再読すると全然違う箇所が刺さることもある。その時その時で自分の中の答えとか考えとかは変わるんだと思う。
面白かった。最高。その時感じた自分の気持ち、自分だけの気持ちをことばにするのが面倒くさくなって、そんな陳腐なことばで片付けてしまいがち。もっと自分の気持ちを大切にしてあげようと思った。
過去形にする、というのはやったことがない。というか日記を書くとどうしてもその瞬間の気持ちを書きがちだった。やってみよう! -
Posted by ブクログ
ネタバレ"p56 書くことは考えること 書くのが面倒なのではなく、考えることが面倒くさいのだ
p81 本の感想として「感動しました」は思ってない。もっと詳細に感情が動いたはず
p88 言葉による暴力は、説明するというコストを省いているもの
p91 日記はその日に何が起こったのかを書くのではなく、何を考えたのかを書く
p93 ポテトチップスを食べたというだけでもどんなことを考えたのかを深堀りすると、結構書けたりする
p119 今の気持ちを書くのではなく、あの時の気持ちを書く
p124 記憶が曖昧なときはいきなり全体を思い出そうとしない→限定されたシチュエーションを細かく思い出せ
p129 考えることは答えを出そうとすること。保留にすることは考えていないことと同じこと
p138 日記を書くことは自分一人と向き合うことを意味する。一人の考えが深まっていく
p148 数年後にその日記を読み返す。真剣に生きていたあの時の自分と向き合うことができる。これは最高の自分へのプレゼントになる。
p175 語彙を増やすには使わないと身につかない。声に出して呼んでみることで身につく
p184 スローモーションの文章を書くことを意識する。
p197 一つの文には一つのメッセージを書く。書きすぎない。
p226 心配事と考え事に分ける。心配事は自分で解決できない。考え事は自分で解決できるもの。考え事を解決していく。
p234 「僕」ではなく「龍生」にして物語も主人公っぽくする。
p237 誰に見せるものでもないから、本音を書く。かっこつけたりすると続かない。
p270 書いたら定期的に読み返す。→「読みたいから書きたい」に変わる。
p272 だいたい10日書いたら初日の記憶は曖昧になっている
☆この本は日記を書くことの重要性を語っている。これから日記を書いていきたい。" -
Posted by ブクログ
「読書」とは、どちらかというと受動的で非生産的なイメージが付きまとう。
何もする事がないから、読書をする。暇つぶし。確かにそういう時間の使い方の一つが読書でもあると思う。
でも、この本を読むと「読書」が能動的で創造性のある行為だってことがよくわかる。
本を渡されても、そこには文字が羅列してあるだけ。その文字を読んで頭の中でイメージしたり意味を咀嚼して自分の中に落としこんだり、それを元に考えたりすることは、間違いなく能動的に「読書」しないとできないことである。
本も勉強も、自分を耕すこと。
特に、受験を控えて進路選びに悩んでいる子、なぜ数学を勉強しないといけないかと頭を抱えている子にもおすすめしたい。
もちろん、大人が読んでも面白い。 -
Posted by ブクログ
学校に居場所がなく息苦しい毎日を過ごすタコジローくんはある日、学校をサボって行った公園でヤドカリのおじさんに出会う。おじさんがタコジローくんに勧めるのは「日記を書くこと」。自分の言葉で感情を紐解くこと=自分との対話を掘り下げていけばこころを巣食う正体不明のモヤモヤから抜け出せる、とおじさんは言うけれど?
13歳〜対象のジャーナリングを薦める本。子供向けらしい優しい語り口とふんだんにイラストをあしらった美しい画面に引き込まれる。
多色刷りによる印刷がとにかく豪華で、お話とイラストの融合した世界は物語の世界へと手を引いて優しく連れて行ってくれる。
海の底の世界、というファンタジックなお伽話をモチーフにしているからこそ、現実のドロドロした人間関係の閉塞感や悩みから程よく距離を置いて楽しめるところはあるのかも。
言葉との向き合い方、友人とのメッセージや会話と、自分のために「書く言葉」はどう違うのか。どんなふうに形に残せば自分のための糧になるのかなど、なるほど、と思わせてくれる場面も多数。
子どもの頃にこの本に出会える今の子達は幸福だな。とはいえ、SNSとスマホが身近にある時代だからこそ生まれた本なのはたしか。
タコジローくんが書いた日記を交えながら進む物語は、思いがけない急展開を迎えながらクライマックスに向かう。
豊かな友情と冒険の物語としてもとても楽しく読めた、心の財産になってくれる一冊。シリーズ化されている次作も読んでみたいな。