自分の興味のあることは、「政治」全体や「政権」ではなく、「政策」であるが、その「政策」を理解するためには、「政治」や「政権」といったことの理解が必須であり、「政策」ばかりではなく、「政治」「政権」といった類の書籍を続けて読んでいる。
日本は議院内閣制という執政体制を敷いているのであるが、1990年代以降の政治行政改革の結果によって、「仕組みとして」首相の権限が強くなったと言われている。
■小選挙区比例代表制の導入により、首相・党執行部の公認権の重要性が増し、また、政治資金規正法改正や政党助成金の創設により、党から配分される資金の重要性が増したこと
■中央省庁改革による内閣機能の強化。内閣法の改正により、首相が閣議で内閣の重要政策に関する基本方針を発議できるようになったこと。内閣官房の機能強化。2014年の内閣官房に設置された内閣人事局を通じて、各省庁の官僚人事に対する統制を強めたこと
もちろん、現在の政権においては、基本的に首相は自民党総裁がなるものであり、首相の権限とは別問題として、首相個人の自民党内での地盤の強さの問題がある。それが安倍元首相は強かったし、今の石破首相は弱い立場にある。派閥が解消され、この部分は、今後、変化も予想される。
また、首相の政策「立案」権限は強くなったかもしれないが、政策「決定」は国会の審議による訳であり、政府・与党の国会内での議席数によって、権限は大きく変わる。今の政府・与党は衆議院で少数与党であり、野党への譲歩を余儀なくされる立場である。
こういったことは、政府・国会が決定する「政策」に当然に影響を与えることとなる。最初に記した通り、自分の関心は「政策」であるが、その前提として、「政治」「政権」等を理解しておく必要があると言ったのは、そういう背景がある。