五十嵐元道のレビュー一覧

  • 戦争とデータ―死者はいかに数値となったか

    Posted by ブクログ

    近代の戦争においてその規模、被害を示す死者数を各国がどう収集し、開示してきたかを追っている。

    筆者は「戦死者数のカウントの仕方の歴史」を淡々と語っている。サブタイトルの「死者はいかに数値となったか」の通り、各国の思惑や世界情勢でその数値は変化し、そして実態は戦争という性質上、掴みづらい。

    戦争が大規模化していく過程で様々な法や協定が作られてきたが当事者、特に大国の都合で、理念通りに機能しているとは言い難い現実も述べられている。

    戦争の歴史を追った本は多いが、死者のカウントの仕方に的を定めた本は珍しい。情報の出し方という意味で、各国の事情がよく見えてくる。

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    2025年09月20日