中貝宗治のレビュー一覧
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首長(経験者が書く本)、基本的に本人が自分の言葉で書いている本しか読まない私。
この本は、『ジェンダーギャップ解消のヒント』という側面からオススメされた本だったが、まさに中貝元豊岡市長自らの言葉で紡がれている新書だった。
コウノトリがあったから、城崎温泉というブランドある観光地を持つから、豊岡市が世界的に注目される現実をみて、うちには出来ないと他地域の人が指摘するのは、本著でも何度も否定されるが、まさに同意。
どんな地域でも、歴史や文化、その土地にしかない価値は必ず存在する。
それを町の内外の人によって、磨いていくか、そのまま朽ちさせるかは、これからの地方が生き残るかどうかの肝になる。
地方政 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数年前から豊岡市で暮らしています。
外側から見る豊岡は非常に羨ましいものでした。
本書にある通り、コウノトリの野生復帰や片岡愛之助さんの永楽館歌舞伎、芸術文化観光専門職大学の認可等々なかなか他の地方都市ができなくてもできない発信力のある、国際的な取り組みをしていたからです。
本書ではそうした取り組みがいかに結実してきたかが具に語られており、読みながらわくわくしてきます。
ただ豊岡に移住してきて感じているのは、そうした周りから見ると羨ましい取り組みが、そこで生活している人々にとっては必ずしも受け入れられていないということでした(この点は本書の中で中貝氏自身も指摘されています)。
政治には夢や -
Posted by ブクログ
地方にある可能性を探り、磨き上げ、世界に通用するローカルに仕立て上げる。衰退する地方の創生を成し遂げた豊岡市の元市長がその秘訣を語る。
取り組んだのは①コウノトリの野生復帰②受け継いできた城崎温泉のインバウンド対ふ策③深さをもった演劇のまちづくり④ジェンダーギャップ解消
このうち①から③までは豊岡にあった資源を磨き上げたものである。その過程には語りきれない苦労があったが、それを乗り越えようという絶え間ない努力があった。目指したのは「深さ」と「広がり」だった。
たとえば、苗を踏み荒らす「害鳥」だったコウノトリとの共生のため、農家の抵抗に耐えて無農薬の農法を開発した。
自然の理にかなう農法でできた -
Posted by ブクログ
<目次>
序章 「小さな世界都市」の萌芽
第1章 コウノトリも住めるまちを創る~「小さな世界都市」のためのエンジン①
第2章 受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ~「小さな世界都市」のためのエンジン②
第3章 深さをもった演劇のまちづくり~~「小さな世界都市」のためのエンジン③
第4章 ジェンダーギャップの解消~「小さな世界都市」のためのエンジン④
終章 これからのこと~子どもたちへ
<内容>
元豊岡市長が、豊岡市を「小さな世界都市」にした過程を書いた本。コウノトリやカバンのことは知っていたが、パフォーマンスアートやジェンダーギャップの解消のことは知らなかった。特に