玄田有史のレビュー一覧
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ある種、(ライトであるが)哲学を論じているような本で最初は少し取っつきづらくページの進みも遅かったが、中盤から一気に読めた。筆者は「希望」という観点について、丁寧に優しく文脈にも繋がりをもってまとめられている。かなりの時間を割かれて深く深く研究されたものを、私のようなこの種の本にあまり触れなかった平凡な人間にとってもわかりやすさを意識して執筆されたと推察。2010年に刊行された本であるが、まさにコロナ禍の今、手にしてよかったと感じた一冊。さまざまな言葉、さまざまな事例。とっておきたい一冊。そして、伝えたい一冊。どこか改めて感想を記しておきたいなあと思えた。
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Posted by ブクログ
近頃感じている言葉にならないモヤモヤした気持ちを理解するための一助を求め近所の書店の棚を見ていたとき、ふと目に留まった本。
東大経済学の玄田教授が、自身が中心となって進めた「希望学」の研究で得た知見の概要を簡潔に記してくれている。
本書を読むことで、客観的には幸せな状況にあるはずの自分がなぜこんなに漠然とした不安や欠落感を感じているのか、その一端が見えてきた気がして気持ちが少し楽になった。
家族にも仕事にも経済的にも恵まれている自分が幸せだという実感はある。
それでもう十分だと思いたいし、それ以上を求めたくない。でも心は正直で何か満たされないものを感じている。
というのが今の私の状況。
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Posted by ブクログ
ネタバレ仏教の経典には「希望」という言葉は出てこない。その一方で、キリスト教では「希望」を持つことの大切さが述べられる(死は貧しい者にとっては希望であり、豊かな者にとっては恐怖だ(内村鑑三著『代表的日本人』日本能率マネジメントセンター、2019年、p.189))。表面的な違いこそあれ、両者に共通しているのは「人間は困難の中で生きざるを得ない存在であることを認めている」という点である。その困難を避けようとするのか(日本)、直視するか(西洋)の違い--これは、日本人と西洋人のメンタリティーの違い(日本人の危機管理の弱さ、「水に流す」文化、辞任で事態の収束を図ろうとする体質)に繋がっているようようだ。
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Posted by ブクログ
ネタバレ<メモ>
・6 フッと笑えるような、気持ちがリラックスした状態でないと希望は持てない
・7 フリーター等で意欲・能力あっても、就職できない若者に共通して欠けているのは「大丈夫」という言葉
・33 変化を待つのではなく変化を起こす
希望を持つためにはまず厳しい現実から目をそむけないこと、過去から現在まで続いている挫折や試練を正面から受け止めること
・38 Hope is a Wish for Something to Come True by Action.
希望は「気持ち」「何か」「実現」「行動」の四本の柱から成り立っている。
気持ち:思い、願い。勝つか負けるか。
何か:将来こうなり
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