著者は金田宏之氏。組織人事コンサルティングファームのクレイア店舗コンサルティングにて大規模組織の、人事制度設計や会社合併に伴う人事制度統合などを手掛け、2014年に独立し株式会社インプリメンティクスを創業。スタートアップの人事制度を支援。
感想。良書。ここまで本の中にノウハウを書いてくれる本は最近あんまり出会ったことがなかった。とてもありがたい。
備忘録
・スタートアップにおける人事制度の目的は、人材の採用と育成、リテンション強化、組織パフォーマンスの最大化。
・人事制度=等級制度・評価制度・報酬制度。
・スタートアップに人事制度が必要な理由は、仕事に集中する環境を作るため。なるほど。
・人事制度は、皆さんが想像する以上に会社に影響を与えている。想像以上の動機づけ、方向づけになる。
・人事制度に市場価値を加味する必要性。
・早いタイミングで人事制度を導入するメリット。①導入のハードルが低い、②組織が大きくなる前に検証&改善がしやすい、③採用活動に活かせる。
・人事制度のアウトプットリスト(p32)は有用。
・等級制度は、個人のレベルを決めるための制度。水泳教室の●級=平泳で25メートル泳げる、みたいな感じ。等級要件の例示が豊富。
・等級判定が大事。人事評価よりも大事。等級判定は、等級要件の再現性を見極めること。本当にこの要件に沿ったパフォーマンスを将来にわたって継続できるのか。また等級判定は卒業要件ではなく入学要件とすることもポイント。3等級から4等級に昇格するには、4等級の要件を満たすことが必要という考え。また入社後のすべての在籍期間を考慮するのが必要で、直近年度だけできただけでは再現性の見極めに弱い。
・等級は公開することで納得感を得やすい。逆に後悔できないならば、査定に後ろめたさがあることになる。
・新入社員には仮等級が良い。迷ったら下の投球でオファーし、適切な等級に引き上げる。
・人事評価は、納得感と正しさの両方が揃うのが大事。
・メイン評価者、サブ評価者
・バリューを行動評価の評価基準に翻訳する。