カン・ファギルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレどの短編もすごく心奪われる内容で、グッと惹きつけられた。結末が示されないのでその後どうなったのか気になる部分はたくさんあるけれど、心に響くシーンもたくさんあった。
どの作品も良いのでどれかを選ぶこともできない。日常のなんてことのない場面が多く描かれているはずが、妙な緊張感に満ちていた。嫌な予感がしてハラハラが止まらない。こうした身近にある違和感や恐怖の描写が素晴らしかった。
そして、女性たちの声がとても身近に感じたという、そのことも収穫だった。たとえフィクションでも、自分と似た心の内がそこにあるというのは心強くもあるのだと知った。
日本でなんらかの被害に遭ったり、被害とまではいかずとも怖い思いをしたことのある女性はとても多いと思うけれど、国を問わずこういうことがよくあるのかもしれない。こうやって言語化され文学として表現されていくことには意義がある。
ぜひ他の著作も読んでみたいと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本屋で何気なく目に止まり読んでみただけだったのだが、思いのほか良かった!私的には良作。
結局誰の話が正しいのか分からないことも面白かったが、「恨(ハン)」にまつわる韓国の有名なおとぎ話や、朝鮮戦争における韓国の歴史等詳しく知らないことが多く、とても興味深かった。
一番印象的だったのは、パク・ジウンはルェ・イハンをあまりに深く愛しすぎた為に、彼が死んだ後彼なしでも生きていけるように彼など愛していなかったというニセの心を作り出していた、という真相。悲しすぎるし辛すぎるけど、最愛の人を失ったらそういう風に生きることでしか自分の心を守ることが出来ない生き方があることが衝撃的だったし、想像しただけで辛かった。
また、「試練は人を強くしてくれるという言葉を信じていない」や、「誰もが母親を愛せるわけではないし、誰もが子どもを愛せるわけでもない」など、一般的に「そう思わなければならない」と思われている道徳観をやんわり否定してくれる描写が多くある。いわゆる一般的な道徳観から少し外れた感情を持ったときに心が苦しくなることもあるけど、そう思うことは自然でそんな自分を否定しなくても良いと思わせてくれる本だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主に女性が遭遇する恐怖について書かれた本。
韓国人の名前が男か女か読みでは判断できないので、じっくり読まなけれなならず苦労した。読んでもわからないこともあったが。
村田沙耶香さんおすすめだったので読んでみた。
それほどでもなかった。
1. 湖 ―― 別の人:記憶の不一致
2. ニコラ幼稚園 ―― 貴い人:組織内の排他性
3. 大丈夫な人:親密な他者への不信
4. 虫たち:日常の侵食
5. あなたに似た歌:執着と投影
6. 部屋:孤立と妄想
7. 雪だるま:静かなる崩壊
8. グル・マリクが記憶していること:存在の不確かさ
9. 手:因習と肉体的違和感