尾久守侑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わたしは精神科医ではないが、わかるなと思うことはあった。
「待てよ、ひよっとして、などといちいち考えるようになり、結果的に中立的な態度をとる」
わたしはある閾値を越えたら、全然中立的な立場をとっていないけれど、全然中立じゃない行動をとってしまった後で、でも待てよ、ひょっとしてと、いまさら考えてもしょうがない振り返りをする自分になってしまった。
「まったくの勘違いで怒鳴られてものすごく怖く嫌な気持ちになり、ああ、この怖く嫌な気持ちこそがふだんこの患者さんが厳しい夫に怒鳴られたときに感じているものなんだろうなあ、みたいに本人の辛さを理解する」
シチュエーションは全然違うけれど、要は確かにこ -
Posted by ブクログ
【目次】
第1章 倫理的なサイコパス
倫理的なサイコパス
犠牲者の臨床
ヨコヤとの戦い
ドロップアウト
傷つき傷つけながら生きるのさ
病気を診ずして病人を診よ
守護霊論
七瀬ふたたび
いいひと。
思春期とSNSと私
第2章 破れ身の臨床
破れ身
ほとんどが無名
歯が命
多重関係
二刀流幻視
兄役
先生のツイートみてます
ルーティン
美容外科医に学ぶ
「ありのままの姿」役
第3章 知らんがな、社会問題
社会問題って何?
メンタルかかりつけ医をつくる
MBTI
「場」がなくなる
身体に合わせる
強制医療の悩み
精神科医の書く一般書について
道中不適応
サプライズ
サイレントマジョリティ -
Posted by ブクログ
精神科医で詩人?…って気になりすぎる。
めっちゃ読みやすいうえに内容も興味深い。
精神医学の話というよりも精神科医としての日常や考えを書き連ねたエッセイ。
思いのほか人間臭いところもあり、とても好感が持てる。
筆者特有の思考回路が見え隠れする文章は、読んでいて面白い。
なるほど!と感心する部分もあれば、やっぱ独特だよな…と笑ってしまいそうな部分もあった。
そうは言っても、やはりその道のプロ。
実生活において参考になる話も結構ある。
特に〈身体に合わせる〉の話にはちょっと救われた。
入社してからの半年間、ほぼ毎朝腹痛で途中下車してて、終いには吐いてしまった事があった。
あの時は無理して職場に行っ -
Posted by ブクログ
内言語多い系の精神科医の方のエッセイ。
気にもしなかった自分の言葉が刃となることに怯えたり、でも気にしては自分が壊れてしまうことも自覚して客観視を心掛けたり。自尊心と羞恥心の狭間で悶えたり、カッコつけた自分の詩的発言をどこかで自虐し、相手から傷付けられるのを予防したり。
分かる。共感要素が強かった。
当たり前だが、精神科医も人間なんだよなあ。
とは言え、言葉にしづらい些細な感情や思索を形に留めようとすると、得てして言語量は増えがち。
つまり、ある程度自分にエネルギー値が残っていないと読むのが疲れる。
そこそこ元気な時に読もう!
そもそもこの方かなり忙しいのに驚き。仕事し過ぎなスケジュ