吉川孝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
現在ではほとんど忘れ去られた存在となった「ブルーフィルム」と呼ばれた16mmないし8mmフィルムで撮影された無修正のポルノ映画について、当時斯界ではもっとも知られた存在であった制作販売グループ「土佐のクロサワ」とその作品を中心に哲学の手法を用いて読み解いていく本。
高知の大学に勤務することになり移住することになった著者がその地で入手した「土佐のクロサワ」の代表作の一つである「柚子っ子」を出発点に、今ではほとんど失われてしまった「ブルーフィルム」を膨大な周辺テキストを元に様々な角度から浮かび上がらせていく過程は文句なく面白い。個人的には「(ブルーフィルムには)多様な欲望が可視化されているのであ