大鹿靖明のレビュー一覧

  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    福島第一原発事故当時、現場・官邸・東電それぞれがどう動いていたのか、そして事故後の民主党政権や経産省の対応までを追ったノンフィクション。特に第一章の爆発時の描写は緊迫感があり、吉田昌郎所長をはじめとする現場の必死な対応と、官邸・東電の温度差が印象に残った。一方で、その後の政治の迷走ぶりには読んでいてもどかしさを覚え、こうした統治構造の不備が事故をここまで深刻にした一因ではないかと感じさせられた。

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    2025年07月22日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    タイトルから推察できるように、メルトダウンしたのは(していたのは)原子炉だけではなく、官僚組織、東電、政治家、御用知識人、そしてマスコミだった。

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    2025年01月02日
  • 東芝の悲劇

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    日本の産業のトップを走ってきた東芝
    先日、その東芝が上場廃止した。

    この本は東芝王国が崩れていく内部を描いたルポ

    東芝の悲劇は「模倣の西室、無能の岡村、野望の西田、無謀の佐々木」と評された4人のトップの起こしたまさに”人災”。

    「バイセル取引」と粉飾決算
    名誉と権力にこだわったトップ
    「おれがおれが」の手柄自慢
    プライドが高く間違いを決して認めないトップ
    そして時代を見ることができなかった原発推進

    結局、東芝は半導体、メディカルとこれから伸びゆくものを切り売り。で、社運を賭けたのがWHの原発事業って…。(のちにWHは倒産するんだけどね…)

    東日本大震災の時の原発事故で原発よりも他のク

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    2023年12月22日
  • 金融庁戦記 企業監視官・佐々木清隆の事件簿

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    金融行政の裏側というか、メイキングというか、バブル期以降の金融事件(ライブドアとかオリンパスとか東芝とか)が紹介されていて、面白い。この話の佐々木さんのような役人がもっとでてくれば面白いのね。

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    2022年10月13日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    東日本大震災当時の福島原発に関わる当時の状況が伝わる。現場で指揮しながら命掛けでメルトダウンを食い止めようとしていた東京電力の職員がいる一方で全く役に立つ事もなく、責任逃ればかり考える役員連中、そしてその後の銀行や政府、マスコミの対応に、今の日本がどれ程堕落しているのか、そして、あれから数年たった今、また核廃棄物無問題で揺れている状況を見た時に、喉元過ぎれば…と言われるような事態になっている事を考えると、また同じ過ちが繰り返されていく事を懸念する。本自体は、あまりに長く難しいので途中でやめてしまったが、過去の出来事にしっかり触れていく事は大事だなと改めて感じた。

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    2021年03月08日
  • ジャーナリズムの現場から

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    ★絶対的な取材量と熱量★新聞や雑誌、テレビの記者がすべてジャーナリズムなのかはもともと疑問がある。単なるライターであり、そこにジャーナリスト精神を常に求めるのは違っている気がする。とはいえ優れたノンフィクションの裏側には圧倒的な思いと取材量があることが、各人の飄々としたインタビューから伝わってくる。
     長谷川幸洋氏(東京新聞論説副主幹)が、高橋洋一氏らネタ元が自分で文章を書くようになったとき、政策ではなくジャーナリズムについて書かないと勝負できないと判断したというのは興味深い。論説委員は報道とは異なり、相手が提起していない議論を自分で提起できるかが重要、というのはなるほど。取材先のアジェンダで

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    2020年06月28日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    原子力発電所の危機管理能力は日本に不在
    結局「米国頼り」独立国のレベルではない(148)
    これで原子力発電が国策とはおこがましい
    無責任極まりない

    莫大な国家予算をつぎ込み、原子力の権威・権勢をほしいままにしてきた「専門家」の誰1人責任を取ろうとしない
    1945年の敗戦と全く変わらない構図

    いま「コロナ」でも同じことが繰り返されようとしている
    日本国内の「専門家」というガラパゴスでしか通用しない「専門性」を振りかざして権威を見せかけて済むのは平時だけ。非常時・戦時に求められる「危機対応力」は皆無。
    そのお粗末さを見せつけられ、最後の帳尻は国民に。

    説明責任が皆無
    何かを隠しているか、判断

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    2020年05月01日
  • 東芝の悲劇

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    34 19.8.8 興味のあるテーマであり何冊か見たが、その中でも最高。東芝のような巨大企業であっても上に立つリーダーの影響がいかに大きいかよくわかった。

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    2019年08月22日
  • 東芝の悲劇

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    凄い取材力。そして取材対象に媚びず徹底的に責任追及の描写。素晴らしい。西室、西田、佐々木、田中の四代でいかに物事がおかしくなったかや、傍流からのトップがなぜ成功しないのかの理由もよく分かった。

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    2018年11月07日
  • 東芝の悲劇

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    当時、上場廃止かというニュースを横目で見ていた程度で、大企業なのに大変だなと漠然と思っていた。最近、ビジネス会計検定を受けて財務諸表の分析や各種指標など勉強したこともあって、きの文庫が目にとまり購入。
    読み進めるうちに、愕然とし気分が悪くなるくらい当時の経営陣に嫌悪感を抱いた。
    一般に仕事ができる=経営ができるというのも違うんだなと感じたし、結構前から利益重視よりキャッシュフローと言われていたけれど、当時の社長たちの利益固執の酷さ。その行き着く先が粉飾。『粉飾』という明確な意識はなくとも、「バイセル取引で乗り切るしかない」という表現をしていること自体、正常ではないと認識していたはず。著者が語る

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    2018年09月27日
  • ジャーナリズムの現場から

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     気骨のある若い記者が少なくなっと、多くの人が語るが本当にそうか?と思う。見つけられていないだけかもしれない。一方でTV、新聞ニュースのひどさは多くの人々が認識していることでもある。記事(雜誌等)で世に問う方法もあるが、TV、新聞そのものでも対策というか試行策はあると思う。例えば一般記者募集とかで、日曜版や折込広告の分厚いやつに追加するなど。
     各先達の紹介する参考文献がこれまた面白そう。ほとんどの本を恥ずかしながら知らなかった。少しずつ集め、読みたい。

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    2014年09月03日
  • 堕ちた翼 ドキュメントJAL倒産

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    [その鶴は、黒い]日本における戦後最大規模となったJALの倒産。ナショナル・フラッグともてはやされ、華やかさを伴う憧れの的となったその企業は、いかにして坂を転がり落ちていったのか。会社更生法の申請までをめぐる政財界の動きと合わせて詳細に記した作品です。著者は、『ヒルズ黙示録 検証・ライブドア』などの作品で知られる大鹿靖明。

    本書で詳述されるJALは、まさに絵に描いたように典型的な没落組織の姿。責任の所在が判然としない企業体系、バブルの上げ潮に押される形での放漫財政、そして社内における小派閥の乱立...。「あのJALが...」と倒産時のニュースを見ながら思ったものですが、あまりのひどさに、その

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    2014年06月17日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    東日本大震災を発端に発生した福島原発の事故。
    そのドキュメンタリーですね。
    どこまでが事実なのか、客観的に見ないと正直わかりません…
    この書籍が客観的に見ているのかもしれませんがね。
    ただ、あの時の民主党、特に菅さんは大分叩かれていたけど、これ見る限りは良くやってたんじゃないかなとか思っちゃうわけです。
    それに比べ東電や専門家たちは…
    って感想を抱いちゃいますわな。
    本当のところはどうなっているのやら。似たような書籍も探して読んでみるか。

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    2013年11月01日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    日本の政治に疑問や不満を持っているなら読んでみるといい。
    本当にバカなやつらがいろんなことを勝手に決めようとしていることがよくわかる。
    マスメディアもバカばっかり。毎日どんどん記事を書かなくちゃいけないから勉強する暇もなくて大変なのは分かるけど、ちょっと考えれば分かるような騙しに引っ掛かるのはやめてくれ。
    そうだ、知っているとは思うけど、読売・日経・産経は原発推進派だから、購読している人は読み方に気を付けよう。
    で、文句ばっかり言っていても意味がない。俺はどうすればいいのか。
    考えた。
    原発の仕組みや運用の大変さ、放射能の恐ろしさについて、それを知らない人たちに教えていくことにする。たくさんの

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    2013年10月27日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    最近ではめっきり報道も少なくなったが、それでも「あの日」以来、原発についてずっと考えているつもりだ。最近も参院選で自民党が圧勝するというニュースがあったが、これを機に原発の再稼働が加速するのかなどと、やはり原発の行く末についていろいろ考えさせられる結果であった。しかし、その原発についてであるが、実際はまだ事故処理の最中であり、その原因などもじゅうぶんに検証されたとはいいがたい。いちおう公式の報告書は出たが、その真相についてはわからない部分もまだまだ多いのだ。その理解の一助となるのが、第34回講談社ノンフィクション賞を受賞するなど評価の高い本作である。わたしも事故の真相について知りたい一心で読ん

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    2017年06月06日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    ネタバレ

    「メルトダウン」(講談社ノンフィクション賞受賞)を読んで、日本の原子力行政に対して、ショックと怒りがいっぱいです。
    ★2008年のスマトラ沖地震で、インドのマドラス原発の非常用海水ポンプが機能を喪失したのを受けて、保安院は電力各社に注意を喚起し、東電は明治三陸沖地震と貞観津波のシュミレーションを行い、波高が15m以上になる結果を出していた。にも関わらず何の手も打たず放置し、さらにひどいのは、震災の3日前には、文部科学省が改定しようとしていた「地震活動の長期評価」が改定される際には、貞観地震の震源がまだ特定出来ないとか、繰り返し発生しているようには読めないようにしてほしいと働きかけている。
    ★原

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    2013年06月01日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    まったくどうしようもない。とにかく救いようがない。
    東電、経産省。

    組織は人を簡単に駄目にする。
    自分や自分の組織の利益を優先するような倫理観が欠如している人がトップに立つのか、
    それとも上に上がるにつれて倫理観が欠如して腐っていくのか。

    自分の私利私欲で他人に責任を擦り付けて、自分はおいしい思いをしたり、安全なところに逃げたりして恥ずかしくないのだろうか。

    結局、この事故を起こした人たちは責任を取らなかった。
    未来を担う若者、まだ生まれていない子供たちに責任を丸投げした。

    こんなんじゃ、子供たちが日本の将来に夢を持てないのも無理はない。

    本当に情けない。自分の厚顔無恥を恥じるべき。

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    2013年05月17日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    厚い本で読み終わるのに時間がかかってがあの時何が起きたのかがよくわかる。菅総理(当時)が福島を視察に行ったことが今も非難されているがこの本を読むと東電や原子力の専門家が全く役に立たず、情報も入って来ないため行動に出てしまったこともわかる。
    しかし、このことは反菅の材料になってしまった。

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    2013年04月29日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    ネタバレ

    本書の帯にもあるように、まさしく「愚かな人間たちの物語」である。
    書名の『メルトダウン』は福島第一原発だけのことではない。東電も政治家たちも霞ヶ関の役人たちもマスコミ各社も皆、自らの保身と責任転嫁に明け暮れている姿は、浅ましさとおぞましさが同居している。モラルがメルトダウンしているのだ。
    民主党から自民党に政権が移行して、ますますこの溶融は進んでいくだろう。被災者・避難者は取り残されたままだ。
    著者には取材を続けて、是非とも第二部も上梓していただいきたいものである。

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    2013年03月04日
  • メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故

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    福島第一原発事故と東京電力、脱原発阻止に暗躍する官僚に迫るドキュメント。文庫化に当たり大幅加筆とのこと。

    喉元過ぎれば熱さを忘れるの諺の通り、あの時の悪夢の映像をまるで忘れたかのように原発は再稼働の道へ。果たして日本に未来はあるのかと考えさせられるドキュメントだった。

    自分の住む東北地方は内陸部でも東日本大震災発生と同時に停電、まさかそれが一週間も続くとは思わなかった。当然、テレビなど観ることが出来ず、ラジオだけが頼り。何よりも、どの位の被害が発生しているのか、津波の襲った沿岸部に住む両親は無事なのかといった情報を収集することに精一杯だった。

    しかも地震の翌日から毎日、会社の復旧に従事し

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    2013年02月18日