武内佳代のレビュー一覧

  • クィアする現代日本文学 ケア・動物・語り

    Posted by ブクログ

    「はじめに」に「読解の方法は単一的な枠組みに寄りかかることなく、それぞれの小説テクストに見合ったさまざまな批評理論や思想を選び取り、小説の解釈の可能性を最大限に広げてみたい。」とある通り、柔軟で開かれた〈読み〉だった。ケアや動物に関する思想との繋がりも見えやすく、「クィア」な読みの可能性を感じる。
    文学作品は、統計では捉えられない、固有の感覚や身体性を描くことができる。小説を読むことと書くことがこれだけ豊かな相互行為であれたら、日本の文学にももっと光が当たるのにと思う。

    0
    2024年12月18日
  • クィアする現代日本文学 ケア・動物・語り

    Posted by ブクログ

    すごくて一気に読んでしまった。

    私は先輩の手ほどきを受けてフェミニズムとかクィアに興味を持ち始めて、その先輩に少しでも追いつきたくて、彼女が読んでいる本を出来る限り読むようにしているのだが、毎回選書センスに驚かされる。『聖なるズー』や『消滅世界』の他バトラー・竹村和子・松浦理英子などをこれまでに紹介してもらった。映画も色々教えてもらって、他者関係における苦しみの根源が家族に関わる欲望にあること、狂気と「正常とされているもの」の連続性、性器中心主義的でない性のあり方など、本当に色々な示唆を得た。この前話しきれなかったのが悔しい。それにしても村上春樹をこんなふうに読めるとは思いもしなかった。金井

    0
    2024年07月22日