マイケル・ベックリーのレビュー一覧

  • デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突

    Posted by ブクログ

    アメリカの若き戦略家であるハル・ブランズ氏とマイケル・ベックリー氏の共著を奥山真司氏が訳したもの。

    論旨としては、情勢分析と処方箋の二つに大別されると思う。

    冒頭の4章までで、いわゆるトゥキディデスの罠的な台頭する国と老成した大国の対峙が危険なのではなく、台頭する国がピークアウトした後こそ危険であり、機械の窓が閉じないうちに行動に移すことこそ危険としており、過去の例として1914年のドイツ第二帝国、1941年の大日本帝国を挙げている。この中で、2027年頃が危険だという説について、中国側の事情だけではなく、米海軍・空軍のアセットが2020年代後半にかけて大量退役して復活までに時間を要するこ

    0
    2025年01月03日
  • デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突

    Posted by ブクログ

    米中冷戦は長いマラソンだなんて思ってると、最初の100mで負けるよ!と言う警告の本。

    ホントそれな

    勃興する大国と既存の大国が衝突するトュキディアズの罠はまちがいで、勃興してきた新興国が、既存の大国を抜くチャンスの窓が閉じる瞬間が危ないという警告には、それなりの説得力がある。
    そして、中国は人口オーナス期に入り、その警告に当てはまる。

    従って、この十年弱の短距離走を全力で走って中国の野望を未然に防ぎつつ、あるべきゴールを装丁して長距離走を走らねばならない。失敗すると中国の暴走で日本は多大な迷惑を被るよ。よ。

    0
    2023年06月21日
  • デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突

    Posted by ブクログ

    台頭する中国との武力紛争の危険性もしくは中国が暴発する危険性は、既存の大国(米国)の地位に新興国(中国)が挑戦することによる「トゥキディデスの罠」ではなく、衰退し始めたことを自覚した新興国が最後の機会に賭け無謀な軍事的手段に訴える可能性によって高まる、という主張。

    人口(特に労働力人口)が減少に転じ、失政により経済成長が鈍化している中国の現状はまさにその条件に当てはまる。

    その中国に対抗するには、民主主義諸国の団結、理想的にはそれらによる新たな国際機関の設置、短期的に有効な防御手段の実施、長期的に中国の弱点を攻めつつ弱体化を図る等々の対応が必要だと、的確に指摘されている。

    朝鮮戦争を経て

    0
    2024年11月08日
  • デンジャー・ゾーン 迫る中国との衝突

    Posted by ブクログ

    大国の急速な経済発展がピークを迎え、衰退していくとき、その崩壊過程で大規模な衝突が起こる。第一次世界大戦時のドイツ、第二次世界大戦時の日本が同じパターンだった。
    そして今中国が何かを起こすことは、時間の問題となっている。その時、日本は確実にその災厄の輪の中にある。

    本当にこういう世界が来るなるなんて、数年前には夢にも思わなかった。
    それにしても、共産主義ってどうしてウィルスのように簡単に増殖してしまうのだろうか?

    0
    2023年02月13日