将棋書籍編集部のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主に中盤、終盤で実際に藤井聡太が指した絶妙な一手を紹介したもの。
全部で115手分あるが、各2ページに短くまとめられているのでポイントが分かり易い。
「次の一手」を考える問題集の将棋本と異なり、本書はタイトル戦などで藤井聡太が実際に指した一手。
例えば、
飛車を取られた上に自分の玉が相手の駒に囲まれて、もうどこにも動けない局面。
相手の玉を脅かす駒はないどころか、4段目までしか(後手の)自分の駒はない。
誰が見ても藤井聡太が負けると思うだろう。
なんでこんな一方的に攻められる展開になってしまったのか、と考えてしまう盤面。
ところが、
この状況から勝ちに繋がる一手を放つ。
藤井聡太には何が見えているのか?
相手は持ち駒不足もあり一手足りないので、自分は詰みそうだが詰まないのを読み切る。
王手を続けるしかないが、一手差で相手が詰む手順を見出す。
最近の将棋は序盤は(AIが示す)定石通りに進み、中盤以降で新しい局面に入る。
と言ってもAIが選びそうな指し手の第3候補くらいまでの手が使われるケースが多い。
「そっちの手を選択したか」といった感じなのだろう。
ところが「えっ!何それ」と全く考えが及ばない一手がたまにある。
私にとってはどんな手でも「えっ!何それ」なのですが、その手の意味が分かったときに棋士の頭脳に感心する。
今年の名人戦では藤井vs糸谷が行われ、藤井が4連勝で防衛した。
糸谷が仕掛けた「AIが選ばない手」での戦いは面白かった。
糸谷は独自の戦法で永瀬を破り名人挑戦権を得たわけだが、藤井の対応力は完璧だった。
藤井聡太、AI活用で習得した定石から外れた局面が多く、次の一手を絞り出すのが楽しそうでした。
持ち時間が9時間と長考が可能な名人戦ならではの将棋だったようです。
観る将としては将棋の戦法や定石などを勉強する気はない。
なので、本書のような実際の対局を用いた解説本は良い。 -
Posted by ブクログ
棋士って言うと超人的な集中力と求道者のような探究心でひたすら将棋を極め続けているようなイメージを持っていたけれど、当然みんながみんなそうではなくて、ギャンブルとかゲームとか登山とか旅行とか割りと一般的な趣味や娯楽も嗜んでいるんだなぁと。当たり前といえば当たり前か。好きこそものの上手なれを地で行くような人が棋士になったんだろうけど、好きなものが仕事になり、それによって悩んだり苦しんだりもする。明確に勝ち負けや上下がつく。永遠に強くなり続けられるわけでもない。想像しただけでもタフな道だなぁ。勝ち負けに翻弄されつつも、最善の一手を追い求め続ける深い好奇心と探究心を持つ棋士たちに敬意と憧れを込めて。