ハチミツ二郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレすごい本だった。お笑いにはすっかり関心を失っており、東京ダイナマイトの漫才はM-1で何度か見ただけだ。90年代から画期的かつ精力的な活動をされており、その活きのいい時期は自分も東京にいたので、見る機会もあっただろうしもったいないことをした。
闘病の記録が壮絶だ。また、娘さんが奥さんと別れるのを嫌がって間をとりもとうとする様子が切ない。健康も夫婦関係も際どい内容でスリリングで分厚いのにすぐ読み終わった。
努力もされて、素晴らしい仲間に恵まれて、恋愛もされて言うなれば人の何倍も充実した愉快な時期を過ごしていらしたことがうかがえる。誰も経験できない立場にも立っている。お酒をたっぷり飲んでお -
Posted by ブクログ
もしあなたがなんとなく面白い本を探しているのであれば、騙されたと思ってこの本を取ってほしい。そして東京ダイナマイトというコンビで芸人として長く活躍するハチミツ二郎を少しでも知っているのであればなおさらである。
私はお笑いに全く詳しくないのだが、唯一名前を挙げれるほど好きなのが東京ダイナマイトである。きっかけは2015年か2016年のM-1の敗者復活戦の動画であった。架空の通販番組を舞台にした漫才の中でTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」というワーディングが出てきて爆笑しながら、自身のツボにはまるというのはこういうことか、という感覚を持 -
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個人としての闘病記と、それ以外の芸人としての回顧録。
後者は、どうも自慢しがちな点や、情緒的な言い回しに自己陶酔感を覚えてあまり興味をもてない。
だが、その自意識故に、すみずみまで記憶されている。それが、前者の良さに生きる。
前者は、つぶさな出来事や観察、苦痛が赤裸々に表現されていて、身につまされる思い。これはなかなかよく、芸人という特殊(と彼は思いたい)な職業と病が密接に絡み合って、ただの闘病記を超えた奥深さをあらわせている。
傲岸不遜に生きていける男が、家族を持ってしまったがゆえの、哀しみと喜び。
きっと彼は家族がいなければ、いつ死んでも良かっただろう。家族がいるから、死ぬよりも辛い苦しみ