渋谷ゆう子のレビュー一覧
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ウィーンフィルの音楽的な志向性を解説するのではなく、組織としての特性を解説した本。
ただ演奏を聴いているだけでは決して知ることはないことなので、興味深かった。
クラシックは、ただ好きで聞いているだけだ。
演奏だけを聞いて、これはどのオケの演奏で、誰の指揮かを聞き分けるなどという高等な芸当はできない。
いたって庶民的な耳をしている。
ウィーンフィルはすごいと子どもの時から刷り込まれてきて、どこがと言われると実はよくわかっていないのかもしれないのが実情。
長じてからは、よく言えば伝統と格式を大切にするオケ、悪く言えば…(ファンの方々ごめんなさい)保守的で排他的、ちょっといけずで敷居の高いオケと -
Posted by ブクログ
ウィーン・フィルの歴史が長いのがよく分かったとともに、音楽の都といわれるウィーン市民のレベルの高さがガチで浮き彫りになった(自分の中で)。まず、「ポルカやワルツに日頃から慣れ親しんできたので」←は?????(目が点)となった。ワルツ…だ…と……???どれだけピアノでワルツのリズムを注意されてきたか…ワルツが当たり前ということに愕然とした。
あとはベートーヴェンの唯一のオペラ「フィデリオ」。これが初演失敗したというのは私でも知ってるくらい有名な話。しかしそれは演者の技術が追いついてないからで、「もっと高いレベルの奴に演奏させろ」と聴衆が声を上げたという話は本気で音楽を感じ取ってるからこそだと震 -
Posted by ブクログ
カネと芸術は、いかに両立しうるか?
実は利益の少ないコンサート、助成金頼みのオーケストラ運営、音大卒でも少ない業界の受け皿。今、曲がり角に立つ日本のクラシック音楽。それでも、なぜクラシックは日本で必要なのか?いかに存続しうるのか?考えるヒントは歴史にある!明治の黎明期の明治期から「世界のオザワ」の戦後まで、日本で「興行」としていかにクラシックが発展してきたかを鮮やかに活写。本場の欧州やアメリカ、アジアの文化的土壌や音楽ビジネスとの比較を踏まえ、これからの日本のクラシックが進むべきビジョンを考える。
来日する海外オケのチケットの価格をながめると、庶民には縁がないなと思う。ならば、地元のオケを