八百万の神というが、日本には数多くの神社があり、さまざまな神が祀られている。
そんな神社の全体像を見渡し、また少しディープに細部も見ていきましょう、という1冊。
「解剖図鑑」と銘打つほど内部まで切り込んでいるかというとそうではないような気もするが、微細なイラストには唸らされる。トリビアも多く、さらっ
...続きを読むと通読するよりは、手元に置いておき、ふと手に取って読んだときに新しい発見がありそう。
構成は
1章 神社ってどんなところ?→神社に特徴的な建造物や構成要素の名称、特徴、成り立ちなど。
2章 神話と神社の深い関係→記紀などのエピソードと関わりが深い各地の神社の紹介
3章 神社の歴史を辿る→古代の信仰から怨霊、明治期の神仏分離まで
4章 神社は何を祀るのか→自然の造形、異形のもの、生命力、武将、天皇
5章 神社のグループはこうできた→各地にある稲荷・住吉・諏訪・春日・八幡・祇園など
6章 神社のすてきなご利益→何てったって俗世の幸福、カネに良縁、健康に円満。
巻末には登場する神々や神社をまとめる。ちょっとした事典代わりにもなりそう。神社は住所と併せて載っているので、本を片手に気になった神社を訪ねてみるのもよいかもしれない。
全体を読んで、神社についてくっきりしたイメージがわくよりも、むしろ、捉えきれない「訳わからなさ」が残るのも、却って、「神社」というものが人々に近いところで古くから根付いてきたのであろう、混沌の歴史の痕跡を見るようでなかなか興味深い。