貴闘力『大相撲土俵裏』彩図社。
2022年10月に刊行された『大相撲土俵裏』を文庫化。野球賭博で相撲協会を解雇された貴闘力が現在の相撲界の闇を暴露するといった内容。
読んでみると、負け犬の遠吠えというか、今さら解り切っていることをチマチマと密告する卑怯な者という印象しかない。
力士の全てが八百長を行っているとは言わないが、勝ち星のやり取りは行われているはずだ。あの名横綱と呼ばれた千代の富士も勝ち星のやり取りであれだけの地位を築いているし、現理事長の北勝海も確実に八百長を行っていた。彼らの不自然な勝ち負けの取組みを見れば誰でも解る。
世の中の一般企業でも、政治の世界でも大なり小なり様々な悪行は行われている訳で、それをしてやったりとばかりに外からキャンキャン吠えてもどうにもならない。やるなら内側から反乱を起こすべきなのだが、そういう人物は確実に葬られる。
日本の国技とか言われる大相撲も長らくモンゴル人が横綱を務め、モンゴル人同士で勝ち負けを回したりしているのは明白だ。横綱や大関は負け始めれば直ぐに休場したり、大関の地位を護れずに陥落しても恥ずかしげもなく相撲を取り続けるのには納得がいかない。
モンゴル人横綱が勝ちにごだわる余りに、かち上げによる立会いはいかんと言うのも変な話だ。勝つためなら立会いの変化も減点されぬ程度の多少の反則も厭わずというのがプロの格闘家だろう。
モンゴル人ばかりに横綱や大関の地位を奪われ、品格が、伝統がとか言う八百長理事長の率いる相撲協会もおかしい。日本人が横綱になっても余りにも勝てずにあっさり引退し、相撲解説でデカい顔をしているのが、そこには品格など無い。それが今の相撲界の現実だ。
最早、大相撲もプロレスと同じショウの一種だと思えば良いのかも知れない。
本体価格750円
★★★