村野将のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
何年か前の本とは思うが勉強になる。最近の米露の関係性とトランプ大統領のウクライナに対する決断の意図がなんとなく想像できた気がした。ロシアは歴史的にアメリカに対する劣等感や敵対感が国全体にわたって刷り込まれていて、ウクライナ侵攻とその結果も今後の米露の関係に多大な影響を与える。アメリカ側としてはロシアとの溝を深めることは不本意で、今ここでウクライナという”小国”を見捨ててでもアメリカ国内の今後の平和のため、ウクライナに降伏を進めているのではないか。自分の認識している道理だけだと、ウクライナは侵攻されている側なので、静止するのであればロシア側だろと思うので。またロシアのウクライナ侵攻を中国は今後の台湾併合の参考として見ているという話にゾッとした…。
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Posted by ブクログ
ロシアによるウクライナ侵攻、また今後起こりうるといわれる台湾有事の予測など、昨今の国際情勢について、著者が複数名の専門家と対談する。本書は主にアメリカとロシア、中国の関係を中心に語っており、それによると、ロシアと中国は日本を半植民地と見なす、つまりアメリカと同盟国を結んでいることは完全な主権を確立していないと考えている。また日本のロシアに対する性善説は江戸時代末期からあり、実際に日露戦争の直前、桂太郎が英国と同盟を結ぶことに対し、伊藤博文は日露協商を唱えるという事例があった。さらに2022年のウクライナ侵攻時に、ロシアに経済制裁を実行したが、これは短期的に見ると効果は現れないが、相手のコストを上げるという利点があるので、制裁期間が長引くほど、ロシア側は戦争の継続が厳しくなり、そこから停戦交渉が行われると指摘する。
一方で台湾有事での中国の動向についてだが、これは明確な時期は不明であるが、中国人は周年を大事にする文化をふまえると、人民解放軍100年でかつ習近平国家主席3期目の終わりである2027年に注意すべきだという。また米ソの冷戦と異なり、アメリカと中国間には安定した対話の枠組みがないことが懸念される。それに加えて、もし台湾有事が起きた場合、日本はウクライナ侵攻におけるポーランドと同じ立ち位置になること、同時にロシアと北朝鮮の動向に注意すべきなど、他人事でないことがわかる。このように、今後の世界情勢はアメリカ一強の時代ではなく、18、19世紀のような帝国主義、多極的な世界へと変貌する。 -
Posted by ブクログ
中国の軍事的脅威が高まっており、日米の軍事力を凌駕しようとする危機的な状況があること、アメリカの経済的・軍事的能力に限界があることは、わかる。
ただ、著者は、アメリカとともに中国の脅威に対応せよといい、日本もGDP3%の軍備を負担せよという。その他、著者の主張は、要するに、中国に対抗するため、日本がアメリカの属国になるということではないか?そして、そこまでしても戦争を抑止できるとは限らず、むしろ「日本のように戦略的縦深性に乏しく、人口や政治経済基盤が都市部に集中する国への核攻撃は国家の存亡に関わる」という。
従って、軍事力強化を重視する著者の主張には説得力を感じない。 -
Posted by ブクログ
現在のウクライナ戦争、最近の米中対立と中国の台湾侵攻のリスクを中心に、国際政治的、軍事的、地政学的な観点で分析されている本
中長期的な課題として、プーチンロシアとウクライナ戦争の影響は大きいものの、日本•世界にとっての最大の脅威は中国だと指摘する。
中国は情報公開が不十分で得られるものは限られているとは言え、近年の軍拡は明らかで、台湾侵攻に関して説得力のある蓋然性が高いリスク分析がされている。
(なお、個人的にはウクライナ戦争はそのリスクを増大させるのではないかと思っていたが、ほとんどの中国政府や軍関係者は「ウクライナと台湾は別問題」と考えているとのことであった。)
また中国や欧米の強かさに比べて日本は個人レベルでも企業レベルでも国家レベルでもナイーブで楽観的で強かさがなさすぎるとの指摘が強調されている。心理戦や世論戦や影響工作への低い防御力•レピュテーションリスクの認識不足や安全保障の観点が欠如した国際的活動•中国の軍事演習への甘い対応。
そんな予測困難だが蓋然性のある紛争リスクと世界各国や国連のパワーバランスの変化に対して、憲法9条と日米安保を有する日本が今後どのように対応していくのが望ましいかについても記されている、
対談形式の本である。
やや専門的な言葉も出てきたり、戦争の話題の時に(笑)が出てくるのは不快だったが、皆さん穏やかな語り口なのはよかった。