川出良枝のレビュー一覧

  • 政治学 第2版

    Posted by ブクログ

    「本書を通読した読者が、あたかも高い塔から見渡すように、現代政治に対する見通しを得ることが出来るような、小さいながらも完結した一冊を目指したつもりである」とのはしがきの通り、政治の初心者が理解できるように非常にわかりやすく書かれており、政治学の全体像を俯瞰することが出来る。
    政治を一から勉強したいと思った際には、この本から入り、全体像を理解したうえで、もう少し詳しい本を読んでいくと良いのではないかと思った。
    個人的には、最終ページの最後の記述がとても印象に残った。
    「民主主義にとっての永遠の課題とは何か。ここの市民の価値観の多様性や社会の多元性を認めつつ、それが個々人を敵対と無関心の中に放置し

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    2025年09月24日
  • マキアヴェッリの独創性 他三篇

    Posted by ブクログ

     本書に収録されている『理想の追求』は、著者バーリンの思想的歩みが自身の口から語られている。著作を通して出会ってきた哲学者や思想家からバーリンが如何なるものを汲み取ってきたかが率直に論じられる。
     バーリンの取る相対主義の立場と多元主義の違いが分かりやすく説かれているのが、特に印象的だった。

     表題作のマキアヴェッリのほか、ヴィーコ、モンテスキューが論じられている。

    ・マキアヴェッリについて
     マキアヴェッリは特殊道徳的価値と特殊政治的価値とを区別したのではない。彼が区別したのは、二つの非両立的な生活の理想、二つの道徳の区別である(39頁)。
    一方の道徳は異教世界のそれであって、勇気、精神

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    2022年10月04日