バーリンの作品一覧
「バーリン」の「反啓蒙思想 他二篇」「マキアヴェッリの独創性 他三篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「バーリン」の「反啓蒙思想 他二篇」「マキアヴェッリの独創性 他三篇」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
『マキァヴェッリの独創性』『ロシアインテリゲンツィアの誕生』と連を為すバーリンの著書。
表題作の他、フランス革命期の思想家ジョセフ・ド・メストルについて、及び19世紀〜20世紀初頭のフランスの思想家ジョルジュ・ソレルについて書かれている。
本著では全編に渡り、デカルトとヴィーコの時代に端を発し今日に至るまでのヨーロッパ思想史において、ほぼすべてを語ると言っても過言ではない、「啓蒙と反啓蒙」の対比について述べている。
伝統的な宗教指導者による統治に対して、人間の価値を説き市民の権利確保を目指したはずの民主主義は、議会制民主主義という形式に至ることで、「人間の尊厳に対する我慢のならない侮辱」と
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Posted by ブクログ
『知的な信念と感情的な〈中略〉要求との深い内的葛藤はロシア特有の病である』
本著はまず、19世紀のヨーロッパ革命、或いはドイツ哲学やドイツロマン主義がロシアに与えた影響について解説、その後ベリンスキー、ゲルツェン、バクーニン(についてはバーリンは否定的)という3人を軸に、19世紀の所謂インテリゲンツィアと呼ばれるロシアの思想家や作家について解説する。
冒頭の引用は西ヨーロッパに対するロシア特有の感情を説明したものであり、それは文明的先行への羨望と計算高さへの嫌悪を同時に抱えている。
(但し、「ロシア」を「(第二次大戦までの)ドイツ」と置き換えてもほぼ意味が成り立つところは面白い)
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Posted by ブクログ
本書に収録されている『理想の追求』は、著者バーリンの思想的歩みが自身の口から語られている。著作を通して出会ってきた哲学者や思想家からバーリンが如何なるものを汲み取ってきたかが率直に論じられる。
バーリンの取る相対主義の立場と多元主義の違いが分かりやすく説かれているのが、特に印象的だった。
表題作のマキアヴェッリのほか、ヴィーコ、モンテスキューが論じられている。
・マキアヴェッリについて
マキアヴェッリは特殊道徳的価値と特殊政治的価値とを区別したのではない。彼が区別したのは、二つの非両立的な生活の理想、二つの道徳の区別である(39頁)。
一方の道徳は異教世界のそれであって、勇気、精神
Posted by ブクログ
「啓蒙の中心的諸原理、すなわち普遍性と客観性と合理性、生活と思想の真正の問題のすべてに恒久的な解決を与える能力、そして観察と論理的思考の適切な能力を備えて考える人なら誰にでも合理的方法は開かれているという前提」(45-46ページ)に対する批判、反対である反啓蒙思想に関する論集。
『反啓蒙思想』で、ヴィーコ、ハーマン、ヘルダーなどその思想的系譜が簡潔にまとめられており、良いガイダンスが得られる。
『ジョセフ・ド・メストルとファシズムの起源』。
ここで取り上げられるド・メストルという人物をまずもって知らなかった。1753年生まれで、フランス革命期からナポレオン帝政期の同時代人である。啓
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Posted by ブクログ
筑摩書房からゲルツェン『過去と思索』が刊行されたのは、もう20年以上前だろうか?面白そうだなとは思ったものの、分厚い3巻本でかなりの高額と、ちょっと手が届かなかった。
ゲルツェンは本書の主要登場人物。何だか懐かしく感じた。ソ連崩壊以降、ロシア革命についてもあまり読まれなくなっているのかもしれないが、その前史時代の社会主義思想家や文学者の著作として、岩波文庫でゲルツェン、チェルヌィシェフスキー、プレハーノフなどが簡単に読めたものだった。
本書は、ロシア社会ならではのものとして登場したロシア・インテリゲンツィヤの姿や有り様、歴史的背景、ドイツ・ロマン主義の影響などを簡潔にまとめた論考に、