河浪武史のレビュー一覧
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日本の通貨問題は自国だけでどうにかなる問題ではないことは本書を読めばよくわかる。米国に頼らないとどうにもならないのだ。
つい先日も円安の是正に関して米国の通貨当局が協調姿勢を見せていたが、これが現実なのである。
本書は、米国と日本の通貨問題において、影に隠れて国益かぶつかると言うより、錯綜しているという感じである。つまり、すれ違いである。
そして日本政府は長期的なビジョンを責任を持って提示して進んできたと言うより、短期的近視眼的によく言えば現実対応、悪く言えば場当たり的に対応してきたような印象を受けた。
本書には、長年の取材力で裏打ちされたストーリーを一貫性のある展開で提示してくれる。
読んで、今の消費税減税は正しいのか、株高円安債券安の状況に本当に何もしなくていいのか。それを考える一冊である。 -
Posted by ブクログ
2026/03/31「円ドル戦争40年秘史」河浪武史 最高に面白かった
著者は日経新聞の国際派。米国の政策当局者への豊富な取材が裏付け。プラザ合意以降の日本経済史を、米国を中心として世界の事情を踏まえ、日本の動向を分析する。この視野の広さと日本分析は他にない。
世界の視点で俯瞰して、一貫した歴史を紐解いているのは流石であり桁違いに凄い。もはやドメスティックな経済観では経済の本質を理解できないと痛感。
特筆の一つは「実質実効為替レート」 米ドル・ユーロは安定しているのに対し、円は大きなボラティリティなのはなぜなのか?政策当局の説明が欲しい。
日本はいつも対処療法ばかりで、戦略がないのは、人材の欠落。
[構成]
Ⅰ. 2025-年「トランプ2.0」
Ⅱ.1985-1989年「プラザ合意」
Ⅲ.1990-1994年「円とバブル」
Ⅳ.1995-1999年「ミスター円 榊原英資」
1997年アジア通貨危機と日本の金融危機は繋がっている
Ⅴ.2000-2007年「ミセス・ワタナベ」リーマンショックへ
Ⅵ.2008-2012年「超円高の危機」頑なだった白川日銀総裁
Ⅶ.2013-2020年「アベノミクス」
Ⅷ.2020-2023年「最弱通貨」
Ⅸ.2024年「大暴落」 -
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1985年のプラザ合意からの通貨史を紐解き、2025年に至るまでの円安への流れを読み解く。
通貨の盛衰は、国力の盛衰そのものでもある。
瓦礫の山から復活した日本経済は、この40年間でいったい何を間違えたのか。
読み応えがあったのは、例えばプラザ合意など、その国策や金融政策の背景にあった人物やその発言などが簡潔にまとめられており、その政策の意図するところや、どうしてそのようなうなったか?が分かりやすかった点。
しかしながら、基軸通貨であるドルと経済覇権国であるアメリカにある程度振り回されるのは仕方がないとして、それに右往左往するのみで対策が全く立てられない日本側のなんと情けないことか。
主体がなく経済的な見通しが全くない点に関しては、ほんとに情けない。
この本を読むことで、現在の悪い円安までの流れや課題がよく理解できる。
主体的な行動がなく、低金利による利払いの少なさ、増税やインフレによる税収増に甘んじる緩い財政規律など、日本は世界に比べ経済政策を少し軽めにみているのではなかろうか。 -
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ネタバレみずほ銀行システム統合苦闘の19年を読み、大学の授業のケーススタディに使わせてもらった。画期的なシステム開発手法を用いて、くびきとなっていたシステム開発は無事終了したはずだったが…
みずほ銀行のガバナンスの問題は根深かった。
2行合併で、もっというと片方が相手を飲み込むくらいの感じだと結果として合併効果は出てくる。しかし、みずほは3行合併。発足時、ホールディング会社、みずほ、みずほコーポレートの3社の取締役の90ポストをきっちり30個ずつ分け合った、ということでもわかる通り合併による効率化からかけはなれたところで貴重な社員のエネルギーが消費されていった。
システムだけではなく、粉飾を知りながら上場支援を行ったみずほ証券など、金融機関として当然持つべきコンプライアンスが欠落した企業になってしまっている。 -
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2026/07/12「みずほ迷走の20年」河浪武史
メガバング三行の統合がまさかの迷走で脱落。日本組織の脆弱さ。
個々の銀行の問題、三行統合の問題、金融行政・日本経済の問題
⇒複合的に問題をこじらせてきた
1.みずほ迷走の原因(180)
①統合のビジョンがなかった 生存が目的
②三行の分断・縄張り争い 能力・資源の浪費
③無謬主義・完璧主義の官僚制 建前で終始 問題回避先送り
2.連続するシステムトラブル 犯人捜し・人事処分・人材枯渇
システムトラブルの本質問題を回避して人事処分に終始
組織は萎縮し、活力を喪失
日本型大組織の弱点=組織論としての「みずほの失敗」
①事なかれ主義 ② 減点主義 ③ 無謬主義
3.間接金融主導経済の終焉=キャッチアップの終わり(210)
この間、日本の銀行に「経営」はなかった
大きな利ざやが保障、預金を集めれば貸出を増やせて利益が出た。
80年代「直接金融」への転換を進めるべきだった
実際は「産業金融」→「不動産金融」に好き進み、崩壊した
個人金融資産残高は1990年1,000兆円→2022年2,000兆円倍増
現預金50% 株式・投信15%→成長投資に回る仕掛けが必要
4.DX事業の拡大 投資も人材もビジネスモデルも世界から落伍
⇒日本の銀行ビジネスを成長事業に転換する
①金融規制をチャレンジ型に
②超低金利政策の見直し・・・物価上昇・金利上昇に耐えられる
③直接金融の体制整備 個人のリスクテイクが活力をもたらす -
Posted by ブクログ
カミさんがスケソウダラ鍋を作ってくれた。
足が早い魚なので、タラコをとって直ぐにカマボコなどに加工することが多い魚。鮮魚のままで店に売りに出るのは珍しい。
春日のマルエツで発見。この店は魚の品揃えは多くはないが、時おり珍しい鮮魚が手頃な値段で並ぶらしい。
スケソウダラは、見た目はややホラーだが、身がやわらかく淡白な味わい。熱を通しても、硬く身が締まらないので鍋物によく合う。フライやソテーも美味しい。
以上、カミさんの解説でした。
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「みずほ、迷走の20年」(日本経済新聞社)を読んだ。
私が就職する頃は、銀行冬の時代と言われていた。
規制緩和が進み証券会社が台頭し、銀行の地位が下がっていくという様な内容だったと思う。
しかし現実は、想定を大きく上回る大きな激変が金融機関全体を襲った。この様な変化を誰が想像できただろう。
しかもまだまだ現在進行形中で、この先どうなっていくか全く不透明だ。DXなどによるビジネスモデルの大きな変革が金融機関は余儀なくされている。
そんな中、三男も来春金融機関に就職することになった。たぶん、当事者の苦労の度合いは益々高まっていくことだろう。
とりあえず頑張ってみるよと、三男は呑気な受け応えだが、夢と若さと時間という宝物を沢山持っているのが何よりの強みだ。
一度しかない人生を、悔いなく思い切りアクティブに過ごしてほしい。