鹿毛雅治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「やる気」「意欲」とは何か、そもそもモチベーションはどのように生じ、何に影響を受け、変化していくのか。モチベーション心理学の代表的理論を整理・紹介している。論を説明する際に文学作品や映像、ドラマ等から関連するエピソードを引いてくれるので心理学初心者でもとっつきやすい。富士通の成果主義の失敗なんかは興味深い。結論としてはハウツー本などで提唱されるような魔法のようにやる気を高めるものなどない、ということか。著者は『居る意欲』を評価している。当たり前のことを当たり前にやろうとするモチベーションであり、習慣や態度を主たる基盤としている。さらに「誠実さ」を基盤にしている、という。
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Posted by ブクログ
教育心理学の教科書ですね。主に動機づけについて書かれていました。
こういう理論をまとめたような本を読むのは,もしかすると大学以来かも知れません。それくらい,時間をかけて,じっくり読みました(というか,一気に読むことができませんでした)。
これまでの教育心理学が得てきた科学的な成果を一つ一つ紹介してくれています。複数の理論が,どのような関係にあるのかも,けっこう分かりやすく書かれていました。
また,理論の紹介のあとには,必ず「具体例」が示されていて,「なるほど~,現場のこのような現象は,理論的には,こんな風に説明できるんだな」ということが分かりました。この具体例の大切さを,本書ではとくに -
Posted by ブクログ
学習意欲について、脳科学など科学的な視点から分析したものである。目標達成のために必要なものは何か?自信、フロー状態(没頭状態)とは何か?といったテーマについて書かれている。
この本は相当ボリューミーなので、最初から全部読むというやり方はあまり適切ではないように思う。興味のあるテーマを目次から探して章ごとに読むのが良い。
詳しくは本書を読んで欲しいが、学校の先生など教育に携わる人にとっては間違いなく役に立つし、資格などで勉強していて自分を動機付けたい時にも使える知識が満載だ。
私達を悩ませる「やる気」について、科学はかなりのところまで有効な知識を提供してくれる。 -
Posted by ブクログ
「モチベーション」に関する心理学の研究の歴史や成果、さまざまな説(ミニセオリー)を紹介したもので、ハウツー本という訳ではない。
心理学のお勉強をする、という感じで、何か即効性のある手段が手軽に学べる、というものではないが、それでもヒントになるところがたくさんある。特におれは教員だから、むしろそういうヒントがないのか、現実世界や経験と結びつきそうな部分を探しながら読んだ。そのいくつかをメモしておく。
まず「達成欲求の低い人は容易な課題を選ぶ一方、高い人は成功するか失敗するかわからないような、チャレンジングではあるが実現可能性のある現実的な課題を選ぶ」(p.53)というところから、やっぱりい