林智裕のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本人みんな必読教科書じゃなかろうか。
福島在住の著者が東日本大震災での実例を皮切りに、デマによる風評被害と被害があるなら加害者がいる=デマを広める者は加害者になっている自覚を促す。
・何故デマが広がるか
論証の確かさをいちいちチェックせずに拡散し、間違いがあったかどうかを拡散した一人ひとりが確認しない
・何故デマを広める者がいるのか
デマによって偽の権威を得るため(デマを主張してその発言に力を持たせる事で自分の売り込みたい文脈を売るため)ものによってはそのまま商売になる。
・真実であれば何もしなくてもデマに勝てるか
残念ながら真実だけでは勝てない。
デマを徹底的に否定して拡散を防ぐ、抗 -
Posted by ブクログ
風評被害に対し、その加害者が存在するという観点がまず面白かった。今後の情報災害を未然に防ぐための公益性、という筆者の主張には賛同するが、同時に抑えきれない怒りみたいなものも同居しているように思う。
加害者として書かれている中で特に酷いのはやはり朝日新聞・東京新聞、れいわ・共産党といったいわゆる左翼陣営で、彼らが弱者の味方として政権批判をするために被災者に対する風評加害を如何にして実行してきたか、これを冷静に読むのは正直難しい。悪戯に分断を煽っても仕方無いのだが、彼ら加害者は一度は自分たちの過去の言説を振り返り、客観的・科学的な報道・情報発信を心がけるようにしてほしいものだ。 -
Posted by ブクログ
福島の方のリアルな声。
もっと正確に言うなら無観客の東京五輪では悪化しなかった、では??あくまでわかっているのは。
何を書かないかで印象って簡単に変わる
「自分達が想像した虚構の中に閉じ込め支配しようとする意識であったと言えるだろう」
これあちこちで起こってるよなぁ…「○○のため」と自分が全く関係ない分野で正義感に駆られて活動して、実際の立場の人が苦しむ構図だったり、実際をよく知ることなく勝手に相手を下に見て、自分を上と錯覚するような。
いくら正しい情報が発信されていたとしても、有象無象ある中で見つけ出すのは本当に難しいと感じる。
この方は情報の取捨選択にある程度信頼をおけると思える人を -
Posted by ブクログ
ちょっと筆に熱が込められすぎているというか、「福島の風評被害を伝えなければ!」という思いが大きすぎるせいで、メディアに対する批判の言葉があまりに強く、かえって筆者の見える範囲が狭まっているのでは?と思ってしまった。(←実際にはそんなことはないのだろうけど、そういう風に感じてしまうような文体だった、ということです。)
本書では「フィルターバブル」という言葉が引用されながら、結局、その人が見たい・知りたいと思っている情報しかその人には届かないということが触れられていて、それ自体は納得できる。しかし、では、正しい情報が自分のところに届いたと言えるのはどういう状況なのか?という部分をきちんと論じてい -
Posted by ブクログ
ネタバレ不当な批判や差別に黙って耐え忍ぶ事は西洋化・情報化・多様化した現代日本では美徳ではなくもはや害悪であるっていう話。
情報災害の歴史や情報災害全体の本かと思ったら、東日本大震災の福島に対して起こった情報災害の話だったので、いろんな意味で上手い本の題名だな、と。
ただ、被害に遭った側が時間とお金と労力と勇気を持って被害状況を訴えていかないといけない上に、さらに周りの第三者に被害者側が責められる事もあるというのは、小さな嫌がらせ事件から明らかな犯罪に至るまでの全ての被害者と加害者とそれを取り巻く第三者に通じる問題だと思った。
p. 46
たとえば、米タートマス大学教授のブレンドン・ナイア