尾形真実哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「組織になじむ」という言葉を聞くと、これまでは「本人の努力」のように考えていた。
しかし、この本を読んで、「組織側が“なじみやすい環境”をつくること」も同じくらい重要なのだと感じた。
新しい組織へ異動した時、人は単に仕事を覚えるだけではない。
「ここでは何が大切にされているのか」「どこまで相談していいのか」「どのように仕事を進めればよいのか」といった、“見えないルール”を探りながら働いている。
印象に残ったのは、「リアリティショック」という言葉。異動直後は、自分が思っていた職場像との違いに戸惑い、無力感を抱くことがある。
前の職場では普通にできていたことが通用せず、「自分は役に立てないのではないか」と感じることもある。
だからこそ、組織側が「トランジションスロープ」をかける必要があるという考え方に共感した。「頑張って乗り越えろ」ではなく、「移行しやすい環境を整える」という発想である。
相談窓口を設ける。
教育を行う。
人とつながるネットワークをつくる。
仕事の意味づけを伝える。
そうした一つひとつの取組が、「この組織でやっていける」という安心感につながるのだと思った。
また、人は異動時に、前の組織の価値観や進め方を持ってくる。
本書にあった「脱色」と「染色」という表現も印象的だった。
前の組織の色を一度整理し、新しい組織の考え方へ少しずつ馴染んでいく。
その過程では、本人の努力だけではなく、周囲の受け入れや説明も必要なのだと感じた。
さらに、本書では、異動者の仕事に対して、
・重要なタスクであること
・自律的に取り組めること
・課題解決に関われること
を意味づけする重要性も述べられていた。
ただ仕事を渡すだけではなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「誰の役に立っているのか」を伝えることが、人のやりがいや組織への定着につながるのだと思う。
「来た人が自然と馴染める仕組み」をつくることは重要である。
個人任せにするのではなく、相談しやすく、支え合える雰囲気をつくること。
この本を読んで、異動してくる人が少しでも安心して働けるような環境づくりを、これから意識していきたいと思った。 -
Posted by ブクログ
昔とは違い転職が当たり前となり、新しい人が職場に入ってくる社会になった。それを踏まえ、「組織になじませる力」について、さまざまな切り口で述べられており大変興味深い内容だった。
多数のアンケート調査等を行われており、筆者の行動力に感心した。
ほとんどのページに簡単な図が示されており、内容も理解しやすいものであった。
最後の「おわりに」より、筆者の人柄もうかがえ、大変良い本に出会ったと感じた。
自分自身は大卒で入社した会社で生涯勤め上げる予定であるが(現在勤続13年)、今後ますます複数の会社でキャリアを重ねる働き方が増え、中途入社の方が増えると思うので、自分もその社会の変容になじんでいけるようにしたいと思った。