人事実務家にとっては非常に有用で手元に置いておきたい一冊。
【メモ】
・人事制度における「役割」の持つ性質
①企業理念やビジョンを社員の業務行動としてブレークダウンしたもの
②企業の事業戦略や業務計画を達成する上で社員に求める重要事項を階層別・職種別に具体化したもの
③能力基準と職務基準の中間の基準として柔軟に位置づけられるもの
④短期の業績達成責任だけでなく、中長期の業績貢献や組織基盤づくりへの期待も織り込んで形成されるもの
⑤ポジション担当者の活動のフィードバックを受けて、拡大する場合があるもの
・等級制度を変えるかどうか検討する際の論点
①経営管理として人材の意欲や成長を重要視するか
②企業にとって大切な人材が意欲を持ち、成長しているか
③構造を変えることで組織や人材の問題の改善が見込めるか
・等級制度のコンセプト検討の外観
①人材マネジメントで解決すべき課題を明らかにする
②事業環境・組織環境を考察する
③社員ニーズを考察する
④コース・等級制度の骨格を仮決定する
⑤制度移行のスピード感を検討する
⑥自社で制度改定を進めるうえで、つまづきそうな点を予測する
・今後の人材マネジメントの変化
①外向きでオープンな組織
②個人との関係を重視した雇用
③多様性を活かした企業活動
④やりたいことへの承認と支援
⑤時間や場所に縛られない働き方
⑥仕事や環境も含めた総合的な動機づけ
⑦社員のウェルビーイング実現の支援
・未来型の等級制度は存在するか?
→等級制度に求められる機能そのものに大きな変化はない。職能、役割、職務のいずれかを土台に最適な人事制度・運用を確立することが、人事部門にとっての基本的な対応であり続ける。
・メンバーシップ型雇用ではダメなのか?
→メンバーシップ型とジョブ型を両端に置いたときに、自社の人材マネジメントをどこに位置づけるかの見当をつけ、そのビジョンや着地点について企業内で認識することが重要になる。