町山広美のレビュー一覧

  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    韓国に住む女性の日常について描かれている本。

    日本の現状も非常によく似ているため、読んでいても違和感がなく、自分の周囲の人々をつい思い出してしまった。

    女性というだけで投げかけられる無神経な言葉の数々。

    そこには、女性を生きづらくさせる昔からの文化や価値観が脈々と受け継がれているという理由がある。

    そして、その文化や価値観は、散々嫌な思いをしたはずの女性側にもいつの間にか根付いているという現実。

    この連鎖が断ち切れる日はくるのだろうか。

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    2026年07月29日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    ネタバレ

    私が本当にしたかった話は、自分の話ではなく、友人の話でもなかった。二人の女の話ではなく、一人の女の話だった。家族と社会と絶え間なく葛藤し、器用に折り合えない女の話。

    ソン・アラムさん、最高でした。
    これは、私の話だ。

    吉良佳奈江さんの、〈訳者あとがき〉も、ぶんぶん頷きながら読みました!うんうんじゃ足りない、ぶんぶんです。

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    2026年01月06日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    家父長制が強く残る韓国の女性2人の物語。シスターフッドというのかダイアログといっていいのか、夫婦関係の問題、母娘の問題、義実家との関係、仕事における女性差別の問題など、声高に訴えるのではなく淡々と語り合う物語はより胸に沁みる。韓国の問題だけでなく、日本でも同様のことであり、よその話とは思えなかった。日本ではあまり見かけない「グラフィック・ノベル」という手法か、この物語には、この手法がよく合う。「九月、東京の路上で」と同じ出版社の本であった。

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    2025年05月11日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    ネタバレ

    大邱の夜。ソウルで若い時を共にした親友ふたり、

    懐かしく思い出すあの時が、実は漠然と不安だったことを今は知ってるから。
    私たちがあれほど飽きるほど未来について話していたのは、怖かったからだと、うまく通り過ぎてきたとコンジュに話してあげたい。

    先に結婚し先に出産し子どもは可愛いけど夫婦仲、結婚生活はつまらないもので仕事と家事と育児に追われそれでもブチ切れたリ離婚まではいかない、まあこんなもんかと日々に追われて過ごし、後から、同じような人生が親友にもやってくる。
    私も自分のことのようにわかると思った。
    何もなしえてないし夢も叶ってないけど、うまくとおりすぎてきたんじゃないか、と。

    ソウルの夜。大邱からソウルに来るまでのいろいろ、大邱でお母さんを看取ったがそのベースとなる家族の話。ソウルでの親友との出会い。
    安全な監獄よりも危険な自由を選んだという自負心を最後まで捨てられなかった、
    とコンジュの独白がささる。

    職場ではセクハラパワハラ。
    夫の実家で名前では呼ばれず、夫の妻もしくは子どものママと呼ばれる。

    そして作家の言葉あとがき。
    二人の女の話ではない、一人の女の話だった、と。家族と社会と絶え間なく葛藤し器用に折り合えない女の話。
    全員がバービーの、バービー映画を思い出した。

    作家はあとがきでいう。一人の女の話でありながら一人の人間の話であることを願いながら、と。
    無数のバービーたち。私の知りうる多くの女の友達たち、みな一人の人としての物語、人生を届きそうで届かない樹木の蒼い葉っぱをつかみあぐねるように、探している。そこに着地することも葉っぱに触れることもないだろうと思いながら。時に勇敢に時に臆病で自信ないままに。

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    2023年09月06日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    気づく事にすら気づけてない人もいるだろうし
    気づいているが絡めとられて身動き取れない人や
    気づき行動したからこそできる共感する人等々
    たくさんの人に刺さる素晴らしい作品

    読んで、買って、良かった。

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    2022年06月05日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    "自分の部屋が必要です。自分の文章が書きたいです。"(p.95)

    "この不安がいつまで続くのかわからないが、ただ生きていく。
    小さな不幸と幸福を迎えながら……。"(p.66)

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    2022年02月20日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    なんと表現すればいいのかわからないけど、韓国の暮らしに触れられてすごく良かった。
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    26.02.27

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    2026年02月27日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    夜の電車、扉にもたれている女性の横顔が描かれたカバーが印象的で、手にとった。
    流れる夜景を見るともなく、目で追っているのか。
    ガラスに映り込む自分の内側を覗き込んでいるのか。
    孤独を色濃く纏い、その視線は鋭い。

    女性のであることの生きづらさ、娘であることの息苦しさ、女性同士の友情を、リアルに等身大に描き出した韓国のグラフィックノヴェル。

    だが、女性でもなく、子供がいるわけでもない僕が、リアルだなんて“分かった”ようなことを言うのはやめておこう

    ただ、作者自身が後書きでこう書いている。
    これは“家族と社会と絶え間なく葛藤して、器用に折り合えない女の話” そして、“一人の女の話でありながら同時に、一人の人間の話であることを願って”いると。

    同じ経験を共有することだけが、分かるという言葉の意味だとしたら、あまりに淋しすぎる。
    コンジュが抱える葛藤と屈折は、一人の人間として分かる、確かに知っている、そう思うのだ。

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    2026年02月02日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    小泉今日子のポッドキャストや、朝日新聞の書評など、いろんなところで目にし気になっていた1冊。「82年生まれ、キム・ジヨン」を読んだ時と同じようなヒリヒリ感。自分は周りの人に恵まれて、仕事も育児も比較的心のままにできている方だが、女性たちの生きづらさが、この社会の中にもたゆたっていることは切にわかる。夫の実家に帰省した時の人々の振る舞い、ちょっとした言葉など、何でもないことが心をえぐる。いや日本よりも韓国の方がもっと根深いのだと思う。これまで通り、こぶしをあげて激しく抵抗するのではなく、「その習慣で育った相手の常識」にも心及ばせながら、でも常識をちょっと見直してもらうさり気ない声かけや努力はしていきたい。

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    2023年07月20日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    身につまされる。男として夫として親として。作品中の夫(テシク)に腹が立つ時も、彼と同じ価値観が自分の深い根底にこびりついていることも自覚する。このこびりつきは簡単には剥がせないが、こういった本を読んでカリカリと爪で削り取って行くしかないのだ。

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    2022年06月08日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    『大邱の夜、ソウルの夜』家族と社会と絶え間なく葛藤し、器用に折り合いをつけられない女の話、と紹介されていて、つまりこれはみんなの話。「私たちはただ、とにかく話し続けよう」ということ。それにしてもグラフィックノベルっていいなあ。

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    2022年06月04日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    ソウルの夜が良かった。慢性的な辛さや諦めや、抗いたい気持ちがひたひた迫ってくる。ただ、ホンヨンはあまり品がない感じで引いた…
    あとこれ静岡弁だらと思って読んでたら翻訳者さんが静岡出身なのね、なかなか見ねーもんでおもしれーっけや笑

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    2023年11月07日
  • 大邱の夜、ソウルの夜

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    コミックを読み慣れていないので
    最初は戸惑いもあったが
    活字を目で追い、主人公の女性たちに共感した。
    少し苦しく思うようなことも
    漫画で描かれているためその気持ちも和らいだ。
    訳者、吉良佳奈江さんはあとがきで
    〈読者のみなさんにも、笑って、ため息をついて、反発しながら、共感しながら、このおしゃべりに参加してほしい。おしゃべりが社会を変えることもあるのだから〉
    と書かれている。

    書店で在庫がなく取り寄せで手にした本。
    たくさんの人の目に留まりますように。

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    2022年04月15日