ジェイムズ・グールド=ボーンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルが気になって読んだ。
「パンダモニウム」とは、「パンダ」とブームという意味の「モニウム」をくっつけた語。
主人公が息子と組んだダンスユニットの名前だ。
現代のイギリスを舞台にした小説。
一年前、妻リズを事故で失ったダニーは、十一歳の息子のウィルと二人で暮らしている。
事故以来、ウィルは一切言葉を発しなくなった。
家族のためによかれとずっと外で働いてきたのに、息子とどう向き合っていいかわからないダニー。
二人ともそれぞれ悲しみにどう向き合っていいかわからないのだ。
妻と二人で働いてどうにかなってきた家計は火の車。
家賃を滞納して、用心棒を連れたイカれた大家に脅される日々。
家賃を取り立てに来た大家につかまっていたせいで遅刻したダニーは、とうとう失職。
物語序盤にして、主人公はこうして「詰んで」しまう。
ほとんど破れかぶれで考えた起死回生策とは、格安で買ったパンダの着ぐるみを着て、公園で踊ることだった。
しかし、ダニーにはまったくその才能はない。
ダニーのダンシング・パンダとしての成長を、思わぬ人々が助けていく。
中でもポールダンサーのクリスタルは、善良さと強烈な口の悪さが混在した人物。
公園でいじめられていた息子を、パンダ姿のまま助けたことで、ダニーはウィルとのつながりを回復させていけそうになるのだが、そこでまたひと悶着がある。
まあ、最後にはウィルが母の墓前で「ママ、心配しないで。ぼくがちゃんとパパの面倒をみるから。」と言うに至るのだけれど。
決してお上品な話ではないけれど、温かい気持ちになれる作品だった。