前川淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自然科学、なかでも数学を扱ったエッセイ集というのはなかなかお目に掛かれません。著者は折り紙研究科にして天体観測も生業にしているという博識ぶりを発揮して、幅広いトピックスのエッセイを書き上げています。
折り鶴、御幣(神社で神職がお祓いの時に使う)と無限、パスタの形状(立体の螺旋)このあたりのトピックスは文体は軽妙ですが内容は、しっかりと数学しています。
紙飛行機を扱った章では、「飛行機が発明される以前の紙”飛行機”は矢羽根みたいで、飛行(翼が揚力を得え飛ぶ)ではなく慣性による運動だった」と分析したり、楕円/放物線/双曲線に関しては望遠鏡の構造と関連づけて、それらの折り紙による作図法に言及したり… -
Posted by ブクログ
世の中には思いもよらないような人がいるものだ。天文台のエンジニアであり、かつ折り紙研究家、さらに博識ぶりや文才も疑いがない。はじめての(折り紙の本ではない)著書ということで少し手探りで書いているような感触もあるが、それにしてもなんと軽やかなエッセイを書くことか。数学の中でもとりわけ図形が苦手なわたくしには厳しいところもあったが楽しく読んだ
「字余りの歌・・・」では、わたくしがたまたま最近読んだばかりの『日本語の発音はどう変わってきたか』でも取り上げられていた、本居宣長の再発見による古代和歌の字余り法則が題材に。本職の日本語学者がサラッと流したところも突っ込んだ考察をしている
他にも紙飛行機