海野聡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「建築史」という研究分野が在る。それは“歴史”という分野であると同時に“建築学”という“工学系”の要素も色濃いという、少し独特な感じのものだ。要は古い建築を精緻に分析し、「同じモノを今建てるとするなら如何いうようにする?」と考えるような感じであるらしい。
本書の著者はその「建築史」の研究者である。そして「何時でも手軽に古い建築が視られる」と奈良に活動の場を求めた経過が在るのだという。そういう“エキスパート”の目線で、奈良の有名な寺院の建築について詳細に、同時に判り易く説いているというのが本書である。
本書に関して非常に好感を抱くのは、「首都圏等から1泊2日で奈良を訪ねるとして…」という想定で、 -
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Posted by ブクログ
唐招提寺、薬師寺、興福寺、東大寺という奈良の4つの寺を題材に、古建築の基礎や見方を解説。
本書を読んで、「柱・梁・桁・棟木・垂木」のセットが基本構造であることや、組物という概念など、伝統的木造建築がどういうふうにできているのかを初めてちゃんと理解した。これまで寺といえば仏像観賞中心だったが、これからは建物もじっくり見たくなった。この本を片手にまた奈良に行ってみたくなった。
ただ、丁寧に説明はしてくれているのだが、建築の専門用語が多いのと、自分が空間把握が苦手なこともあり、十分に理解できない部分もあった。やはり実物を見ながら説明してもらえるのが一番なのだが、まあ致し方ない。 -
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- カート
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試し読み
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
序章 日本の森林と木の文化
第1章 木と人のいとなみ
第2章 豊かな森のめぐみ~古代
第3章 奪われる森と技術のあゆみ~中世
第4章 荒廃と保全のせめぎあい~近世
終章 未来へのたすき~近代から現代
<内容>
もうちょっと建築寄りの話かと思ったが、話の半分は、材木の種類と森の話。森の荒廃と保全に関わる歴史をわかりやすく書いた本は少なかったのでは?ちょっと専門用語が多く、取っ付きにくいのだが、「森の国」日本は、中世からその荒廃に悩み、東大寺大仏殿や伊勢神宮の神殿を含め、その材の調達に苦労し、近世に入ると、「材木商」の利権と絡んで(人口密集と火事の問題もあったが)、山の