来栖夏芽のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ハートフルコメディとして各登場人物にしっかりとフォーカスが当たっていて、読んでて気持ちがいい。学校の先生である主人公の「人間」と4人の人外生徒」たち。各章でそれぞれの生徒たちがそれぞれの悩みに向き合い成長していく。各章冒頭に各生徒たちの語りの部分があるのだがここがまたグッとくる。
意外性や仕掛けの部分もしっかりしていてアクセントもバッチリ、いいキャラ付けにもなっている。
話の構成は各キャラクター達にスポットを当てた短編が繋がって1つの長編になっている、といった感じだ。その分話の脱線が無く集中しやすい。それが全員分あって最後にひとつの作品として纏まっていく。
あれ、ここで終わりか?まだ...と -
Posted by ブクログ
ネタバレ(少し上から目線と思えるようなことも書きます。不快に思われた方がいらっしゃいましたらごめんなさい)
一度教師として失敗してしまった主人公が人外だらけの学校でもう一度教師となり、生徒たちとの交流を通して人間として教師として生徒たちと成長していく物語。
生徒一人一人の抱える問題が丁寧に深堀りされて描かれており、解決にも納得感があった。それぞれの生徒に対し作家が描きたいことがはっきりしていたのもよかった。加えてその深堀りの手法も安易に過去回想とかに頼らず、その場で主人公が経験することで知っていったところも読み応えがあった。また、それぞれの章には三題が決められていたが、物語に上手く溶け込んでいて違 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公が赴任してニ年目となり、新しい生徒と共に一年を過ごす物語。
正直に言うと、一作目より心が揺れ動かなかった。設定上仕方ないことであるが、舞台となる場所やイベントが限られすぎていて、一巻で見たように思える話が多かった。余計なことかもしれないが、ヒトマ先生との物語のおかげでできた新しい行事やちょっとした小物などがあるといいのかもしれない。
また、一作目と比べ、元々人間的・性格的に足りないというキャラが少なく、先生が生徒を知る話になっているようにも思えた。万智の話が特にそうで、成長や変化が分からなかった。回想で人物の深堀りをすることも多く、置いてけぼりを感じた。加えて、教師という特性上仕方